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さ〜て、今日も夜食にゆっくりタコ焼きでも食べるか。 ゆっくりタコ焼きとは、加工場産の食用のれいむやまりさをホットプレートやオーブントースターで焼く事で調理して食べる冷凍食品だ。 アルミのパッケージにはれいむとまりさの笑顔が 「ゆっくりしていってね!」「おいしいよ!」などと吹き出し付きで描かれている。 1パッケージに6個いり398円とちょっとお高い。 今川焼きやあんまんに近い食べ物だが、生地と餡子の相性が最高で 普通に小麦粉を溶いて餡子を入れたものとはまるで比べ物にならない。 あれ、冷凍庫に入れておいたはずがどこへ行ったかな? ゴソゴソと奥を探すが見当たらない。 「・・・ゅ・・・・・・ゅ・・・・・・」 足元で何か声が聞こえることに気づいて、下を見ると スーパーの手さげビニールに入っているパッケージを見つけた。 これから食べようとしていたゆっくりタコ焼きだ。 買ってきたまま冷凍庫へ入れ忘れて放置してしまったのだろう。 もぞもぞと動いているところを見ると、すでに自然解凍されてしまっている。 おそるおそる、パッケージを拾い上げてギザギザの溝に指をかけて開封してみた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっきゅり〜♪」 「ゆっくちちゅちぇね!」 「ゆ〜ん、ゆ〜ん!」 「ゆぅゆぅ・・・zzz」 「ゆ〜ん?・・・ぷりぷり」 6個ともすっかり冬眠(?)から醒めてしまっていた。 赤れいむ3匹と赤まりさ3匹 1匹のまりさは居眠りをしていて、もう1匹は小さなうんうんをしている。 1匹のれいむは人間の赤ちゃんのように泣きじゃくっていた。 もう自我や個性があるのだろうか これでは、冷凍状態と違って勝手に動き回っておいそれとホットプレートで焼くことができないだろう。 苦しめれば味が良くなる成体ゆっくりと違い赤ゆっくりはそのままがベストの甘み。 出来ればゆっくりした状態で調理したい。 かといって再冷凍はどんな食品であれ味を大きく落としてしまうものだ。 う〜ん・・・と考え込んで閃いた。 そうだ、こいつらを成体まで育てることができれば毎日ゆっくりが食べ放題じゃないか? それを冷凍してからタコ焼きにすれば、美味しいゆっくりタコ焼きが毎日食べられるぞ! いや、ゆっくりタコ焼きだけじゃない。 贅沢に赤ゆのみを使用したゆっくりお汁粉に赤ゆっくりの踊り食いだって思うがままだ。 こうして、俺と赤ゆの生活が始まった。 6匹に自由に動き回られるとうっかり踏み潰してしまったり、そこらへんに排泄されても迷惑なので とりあえず飼育ケースとしてダンボールにタオルをひいて入れてやることにした。 そこへ、カップアイスの蓋を逆さにしてティッシュをひく。 「いいか、うんうんもしーしーもここにしろよ。」 「ゆっきゅちきょきょにうんうんちゅるね!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆっきゅちー!」 「ゆえ〜ん、ゆえ〜ん!」 「ゆゅ〜ん・・・zzz」 「ゆう〜?」 1匹のまりさが話を聞かないで寝てばっかりなのでデコピンをすることにした。 ピシッ! 「ゆびょっ!」 体の半分をぐにゃりとへこませて目を大きく見開き、口から餡子を覗かせた。 「まりささん聞いてますか? うんうんと、しーしーはここだからね。 みんなもうんうんやしーしーを別の場所にやったらデコピンだから覚えておいてね!」 そして、もう一度デコピン ペシッ 「ゆぴゃ! ・・・いちゃいのやぁー!ぴしっやだよぉー!ゆぇえええんん!」 「ゆゆゆ!いちゃがっちぇるよやめちぇあげちぇね!」 「おかーしゃんきょわいよぉ〜!ゆえ〜ん!」 「ゆえぇ〜んゆえぇ〜ん!」 「ゆわぁぁぁ〜ん!」 「ゆぅ?」 痛がってるまりさを心配してる赤れいむもいるが、ほとんどは怖がって奥の方へ逃げて泣いている。 いくら頭の悪いゆっくりでも、こうやって体で教えていけば大丈夫だろう。 そういえば餌がまだだったな。 赤ゆっくりは生まれた直後に親が茎を食べさせるというが、まあ米粒でもあげておけばいいか、一応は糖分あるし。 電子ジャーからしゃもじではなくスプーンですくいとり、それをペットボトルの蓋をさかさにして盛る。 これがお茶碗というわけだ。 「ほら、赤ゆども、ゆっくりしたごはんだぞ」 ”ごはん”という単語は教えなくてもわかっているのか、それとも”ゆっくり”という言葉に反応したのか さっきまで泣いていた赤ゆたちは、もうそんなことを忘れてしまったようにペットボトルの蓋に群がる。 「ゆっくちたべりゅよ!」 「むーちゃ、むーちゃ!」 「もーく、もーく」 「ゆぇ〜ん、れいみゅもごはんたべちゃいよぉ〜!」 「まりしゃもたべりゅからどいちぇよぉ〜!ゆゆ〜ん!」 「ゆゆぅ〜?」 ペットボトルの蓋の茶碗は赤ゆにも小さかったのか、3匹が食べ始めると残り3匹は蓋のフチまで近づくことが出来ない。 そして、盛ってあったご飯が半分くらいになってくると、重量が軽くなったことで蓋が横向きにひっくり返り ころころ〜っと転がってしまう。 「ごはんしゃん、ころころしにゃいでね!いもうちょたちがまだたべてないよ!」 「ちあわちぇ〜♪まりしゃはもうおにゃかいっぱいだよ!」 「げっぷっ♪れいみゅのおにゃかぽんぽんだよ!」 「ゆぇ〜ん、ごはんさんゆっくりまってね!にげないでにぇ!」 「まりしゃのごはんさんまっちぇ〜!」 「ゆふ〜ん」 ペットボトルの蓋は失敗だったか。見た感じ餌箱っぽくていいと思ったんだがなぁ。 しょうがないから足元にごはんの固まりをスプーンひとすくいそのまま置いてやった。 どうせ下にひいてあるタオルは定期的に洗う予定なのでとりあえずはいいだろう。 「ゆ〜ん、おとーしゃんありがちょー」 「ゆゆ〜ん、おかわりきたからもっちょたべりゅよ!」 「げっっぷ、れいみゅはもうごはんしゃんなんてみちゃくもないよ!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」 「むっちゃむっちゃ!」 「もくもくもく、もくもくもく」 あれ、いま俺のことをお父さんと言ったのか? よくみてみれば、赤ゆにもれいむ種とかまりさ種とか以外に個体差がありそうだ。 よし、観察しやすいように額に油性マジックで番号を振っておこう。 長女っぽい、妹おもいなれいむが1番 おかわりを食べているまりさが2番 もうごはんを見たくもないとか言ってゲップしてるれいむが3番 泣いてばかりいたれいむが4番 寝てばかりいてデコピンしたまりさが5番 頭がかわいそうっぽい感じのまりさが6番 さて、夜食も食べ損なったし今日はもう寝るか。 自分の食事の代わりに赤ゆを満腹にしてやるとはとんだ愛護派だぜ。 居間にダンボールを残して、ベッドのある部屋へ移動しようとする。 すると、赤ゆどもがダンボールをかしかしとひっかきながら俺の後に続こうとしていた。 「おとーしゃん、いきゃないで!」 「まりしゃもおとーしゃんとゆっきゅりしたいよ!」 「げっぷ、れいみゅもれいみゅもー!」 「おとーしゃんいかにゃいでー、ゆわぁぁぁあん!」 「まりしゃ、もうわるいこちょちないきゃらいっちょにゆっくちちちぇ〜!」 「ゆぅ〜ん!ゆぅ〜ん!」 れいむ種はもみあげをピコピコとさせてじたんだを踏み まりさ種は届くわけのないダンボールの壁面をぴょんぴょんと跳ぶ 6番の頭が悪そうなまりさまで必死になって”><”こんな表情をしながら顔をフリフリと振ってこっちに叫んでいる。 生まれたときから傍にいて餌をくれた俺を親ゆっくりだと確信し その俺が視界の外に行き、どんどん遠くに離れていくと感じたのだろう。 6匹は自分たちを捨てて親がどこかへ行ってしまうと思う必死に呼び止めている。 「ぷぅ〜」 俺は一度だけ振り返ってから屁をこいて、ベッドのある部屋へと移動した。 「ゆぇ〜んゆぇ〜ん!」「ゆわぁぁ〜ん!」という泣き声がしばらく続き 夜中にトイレへ行ったときにそっと覗いてみたら 1番の長女れいむを中心に5匹は輪になって固まって寝息をたてていた。 「ゆぅゆぅゆぅ・・・みんにゃゆっくちちちぇね・・・」 「ゆゅ・・・おとーしゃん・・・zzz」 頬と頬をすりあわせて、しあわせー♪といった感じだ。 ちょっとイタズラ心で額に1番と書かれている長女れいむをツマ楊枝で突っつく。 「ゆぴゃ!」 サッと俺はダンボール内から死角になる位置に身を隠し様子を伺うと 1匹だけ目を覚ました長女れいむは、薄暗い暗闇の中で親がいない事を思い出し 「ゆ・・・ゆゆ・・・おとーしゃん・・・おとーしゃんはもうかえっちぇこにゃいの? ゆ・・・ゆゆゆ・・・ゆわぁぁぁぁ〜ん!」 と大声で泣き出した。 この長女れいむを中心に輪になっていたところを見ると きっと他の5匹を励まして親がわりになっていたのだろう その心が折れて泣き叫んでいる今、どうなってしまうのかとハラハラしながら様子を伺った。 長女れいむの泣き声で他の赤ゆも目を覚ます。 「ゆゆぅ・・・ゆっゆっ、ゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」 「ゆぅ?・・・ゆ・・・ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃーん!」 「ゆっ!?・・・ゆわわぁ〜ん!」 「ゆぅゆぅ?・・・zzz」 「ゆゆぅ?ゆゆ〜ん!ゆゆ〜ん!」 あれ、5番のよく寝るまりさだけ反応がないな。 見えないように、手だけスッとダンボール奥に忍ばせてツマ楊枝でチクリッ! 「ゆぴゅ!」 赤ゆからすればサソリのような生物が突如巣に襲い掛かってきたように見えるだろう。 それから、5番まりさも他の5匹が泣いているのを見てパニックに陥りふるふると震えて泣き出した。 「ゆえ〜ん、おとーしゃんたちゅけちぇー!まりちゃきょきょだよー!」 そのおとうしゃんが刺したわけですが(笑) さて、あんまり夜更かしすると体に悪いし今度こそ寝るか。ゆっくりゆっくり。 朝、すっかり赤ゆどもの事を忘れて居間に入ると 泣きつかれて葛饅頭のようになった赤ゆどもが俺に気がついて色めきたつ。 「ゆ・・・ゆゆ!おとーしゃんだ!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 「ゆゆっ?おとーしゃん!おとーしゃん!」 「ゆっくちちちぇいっちぇね!ゆっくちちちぇいっちぇぶぴゅ!」 「ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃん!」 「まりしゃいいきょにしちぇるからもうどこにもいきゃないでにぇ!」 「ゆぅ〜ん!ゆゆぅ〜ん!」 ああそうか、昨晩赤ゆを飼い始めたんだっけ。 とりあえず、また白いメシでもくれてやるか。 ん? 箱の中を見ると、逆さにしたカップアイスの蓋の上に5個の餡子の固まりがあるが ペットボトルの蓋の中に1個、同じような餡子の固まりがこびりついていた。 「こっちにうんうんしたの誰だ?」 6匹の前にペットボトルの蓋をもって見せる。 すると、3番のれいむが前に進み出て 「れいみゅだよおとーしゃん、そっちでうんうんしたほうがおちりをこうやってズーリズーリふけてきもちいいんだよ!」 そういって、ゆっへんとお尻を突き出しピコピコと左右に動かして見せる。 「はい、おしおき」 ペットボトルの蓋をそのまま3番のれいむに被せる。 プチトマトサイズの赤ゆにとってペットボトルの蓋は目元まですっぽりと入って内側の溝のせいで手のないゆっくりには簡単には外れない。 「れいみゅのおべべがぁ〜!まっくらでみえにゃいよぉお!」 まるで、目を抉られたかのような事を叫んでいる。 その間に、他の5匹には白いごはん。 「れいみゅもたべりゅよ!ゆっくちたちゅけちぇね!ゆえ〜ん!」 「お前は、昨日ごはんなんてもう見たくもないとか言ってたよね。ゆっくりできないゆっくりはこうなるんだよ!」 長女れいむと4番れいむ、6番まりさは心配していたが、他の赤ゆはお構いなしにごはんを平らげていく。 「むっちゃ、むっちゃ〜ちあわちぇ〜♪」 成体まで育てて、無料で赤ゆ食い放題にするつもりだが 子育てをするのが大変だなと半日もしないうちに実感した。 ここは、どこかからか教育係の親ゆっくりを手に入れて育てさせるか。 部屋から出るときにまた、赤ゆどもが大騒ぎを始めるだろうと思ったので 食べてる間にこっそりと部屋を出て外へ出かけた。 子育てといえば目指すは、れいむ種かちぇん種だ。 おにいさんわかるよー。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3311.html
さ〜て、今日も夜食にゆっくりタコ焼きでも食べるか。 ゆっくりタコ焼きとは、加工場産の食用のれいむやまりさをホットプレートやオーブントースターで焼く事で調理して食べる冷凍食品だ。 アルミのパッケージにはれいむとまりさの笑顔が 「ゆっくりしていってね!」「おいしいよ!」などと吹き出し付きで描かれている。 1パッケージに6個いり398円とちょっとお高い。 今川焼きやあんまんに近い食べ物だが、生地と餡子の相性が最高で 普通に小麦粉を溶いて餡子を入れたものとはまるで比べ物にならない。 あれ、冷凍庫に入れておいたはずがどこへ行ったかな? ゴソゴソと奥を探すが見当たらない。 「・・・ゅ・・・・・・ゅ・・・・・・」 足元で何か声が聞こえることに気づいて、下を見ると スーパーの手さげビニールに入っているパッケージを見つけた。 これから食べようとしていたゆっくりタコ焼きだ。 買ってきたまま冷凍庫へ入れ忘れて放置してしまったのだろう。 もぞもぞと動いているところを見ると、すでに自然解凍されてしまっている。 おそるおそる、パッケージを拾い上げてギザギザの溝に指をかけて開封してみた。 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっきゅり〜♪」 「ゆっくちちゅちぇね!」 「ゆ〜ん、ゆ〜ん!」 「ゆぅゆぅ・・・zzz」 「ゆ〜ん?・・・ぷりぷり」 6個ともすっかり冬眠(?)から醒めてしまっていた。 赤れいむ3匹と赤まりさ3匹 1匹のまりさは居眠りをしていて、もう1匹は小さなうんうんをしている。 1匹のれいむは人間の赤ちゃんのように泣きじゃくっていた。 もう自我や個性があるのだろうか これでは、冷凍状態と違って勝手に動き回っておいそれとホットプレートで焼くことができないだろう。 苦しめれば味が良くなる成体ゆっくりと違い赤ゆっくりはそのままがベストの甘み。 出来ればゆっくりした状態で調理したい。 かといって再冷凍はどんな食品であれ味を大きく落としてしまうものだ。 う〜ん・・・と考え込んで閃いた。 そうだ、こいつらを成体まで育てることができれば毎日ゆっくりが食べ放題じゃないか? それを冷凍してからタコ焼きにすれば、美味しいゆっくりタコ焼きが毎日食べられるぞ! いや、ゆっくりタコ焼きだけじゃない。 贅沢に赤ゆのみを使用したゆっくりお汁粉に赤ゆっくりの踊り食いだって思うがままだ。 こうして、俺と赤ゆの生活が始まった。 6匹に自由に動き回られるとうっかり踏み潰してしまったり、そこらへんに排泄されても迷惑なので とりあえず飼育ケースとしてダンボールにタオルをひいて入れてやることにした。 そこへ、カップアイスの蓋を逆さにしてティッシュをひく。 「いいか、うんうんもしーしーもここにしろよ。」 「ゆっきゅちきょきょにうんうんちゅるね!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆっきゅちー!」 「ゆえ〜ん、ゆえ〜ん!」 「ゆゅ〜ん・・・zzz」 「ゆう〜?」 1匹のまりさが話を聞かないで寝てばっかりなのでデコピンをすることにした。 ピシッ! 「ゆびょっ!」 体の半分をぐにゃりとへこませて目を大きく見開き、口から餡子を覗かせた。 「まりささん聞いてますか? うんうんと、しーしーはここだからね。 みんなもうんうんやしーしーを別の場所にやったらデコピンだから覚えておいてね!」 そして、もう一度デコピン ペシッ 「ゆぴゃ! ・・・いちゃいのやぁー!ぴしっやだよぉー!ゆぇえええんん!」 「ゆゆゆ!いちゃがっちぇるよやめちぇあげちぇね!」 「おかーしゃんきょわいよぉ〜!ゆえ〜ん!」 「ゆえぇ〜んゆえぇ〜ん!」 「ゆわぁぁぁ〜ん!」 「ゆぅ?」 痛がってるまりさを心配してる赤れいむもいるが、ほとんどは怖がって奥の方へ逃げて泣いている。 いくら頭の悪いゆっくりでも、こうやって体で教えていけば大丈夫だろう。 そういえば餌がまだだったな。 赤ゆっくりは生まれた直後に親が茎を食べさせるというが、まあ米粒でもあげておけばいいか、一応は糖分あるし。 電子ジャーからしゃもじではなくスプーンですくいとり、それをペットボトルの蓋をさかさにして盛る。 これがお茶碗というわけだ。 「ほら、赤ゆども、ゆっくりしたごはんだぞ」 ”ごはん”という単語は教えなくてもわかっているのか、それとも”ゆっくり”という言葉に反応したのか さっきまで泣いていた赤ゆたちは、もうそんなことを忘れてしまったようにペットボトルの蓋に群がる。 「ゆっくちたべりゅよ!」 「むーちゃ、むーちゃ!」 「もーく、もーく」 「ゆぇ〜ん、れいみゅもごはんたべちゃいよぉ〜!」 「まりしゃもたべりゅからどいちぇよぉ〜!ゆゆ〜ん!」 「ゆゆぅ〜?」 ペットボトルの蓋の茶碗は赤ゆにも小さかったのか、3匹が食べ始めると残り3匹は蓋のフチまで近づくことが出来ない。 そして、盛ってあったご飯が半分くらいになってくると、重量が軽くなったことで蓋が横向きにひっくり返り ころころ〜っと転がってしまう。 「ごはんしゃん、ころころしにゃいでね!いもうちょたちがまだたべてないよ!」 「ちあわちぇ〜♪まりしゃはもうおにゃかいっぱいだよ!」 「げっぷっ♪れいみゅのおにゃかぽんぽんだよ!」 「ゆぇ〜ん、ごはんさんゆっくりまってね!にげないでにぇ!」 「まりしゃのごはんさんまっちぇ〜!」 「ゆふ〜ん」 ペットボトルの蓋は失敗だったか。見た感じ餌箱っぽくていいと思ったんだがなぁ。 しょうがないから足元にごはんの固まりをスプーンひとすくいそのまま置いてやった。 どうせ下にひいてあるタオルは定期的に洗う予定なのでとりあえずはいいだろう。 「ゆ〜ん、おとーしゃんありがちょー」 「ゆゆ〜ん、おかわりきたからもっちょたべりゅよ!」 「げっっぷ、れいみゅはもうごはんしゃんなんてみちゃくもないよ!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー!」 「むっちゃむっちゃ!」 「もくもくもく、もくもくもく」 あれ、いま俺のことをお父さんと言ったのか? よくみてみれば、赤ゆにもれいむ種とかまりさ種とか以外に個体差がありそうだ。 よし、観察しやすいように額に油性マジックで番号を振っておこう。 長女っぽい、妹おもいなれいむが1番 おかわりを食べているまりさが2番 もうごはんを見たくもないとか言ってゲップしてるれいむが3番 泣いてばかりいたれいむが4番 寝てばかりいてデコピンしたまりさが5番 頭がかわいそうっぽい感じのまりさが6番 さて、夜食も食べ損なったし今日はもう寝るか。 自分の食事の代わりに赤ゆを満腹にしてやるとはとんだ愛護派だぜ。 居間にダンボールを残して、ベッドのある部屋へ移動しようとする。 すると、赤ゆどもがダンボールをかしかしとひっかきながら俺の後に続こうとしていた。 「おとーしゃん、いきゃないで!」 「まりしゃもおとーしゃんとゆっきゅりしたいよ!」 「げっぷ、れいみゅもれいみゅもー!」 「おとーしゃんいかにゃいでー、ゆわぁぁぁあん!」 「まりしゃ、もうわるいこちょちないきゃらいっちょにゆっくちちちぇ〜!」 「ゆぅ〜ん!ゆぅ〜ん!」 れいむ種はもみあげをピコピコとさせてじたんだを踏み まりさ種は届くわけのないダンボールの壁面をぴょんぴょんと跳ぶ 6番の頭が悪そうなまりさまで必死になって”><”こんな表情をしながら顔をフリフリと振ってこっちに叫んでいる。 生まれたときから傍にいて餌をくれた俺を親ゆっくりだと確信し その俺が視界の外に行き、どんどん遠くに離れていくと感じたのだろう。 6匹は自分たちを捨てて親がどこかへ行ってしまうと思う必死に呼び止めている。 「ぷぅ〜」 俺は一度だけ振り返ってから屁をこいて、ベッドのある部屋へと移動した。 「ゆぇ〜んゆぇ〜ん!」「ゆわぁぁ〜ん!」という泣き声がしばらく続き 夜中にトイレへ行ったときにそっと覗いてみたら 1番の長女れいむを中心に5匹は輪になって固まって寝息をたてていた。 「ゆぅゆぅゆぅ・・・みんにゃゆっくちちちぇね・・・」 「ゆゅ・・・おとーしゃん・・・zzz」 頬と頬をすりあわせて、しあわせー♪といった感じだ。 ちょっとイタズラ心で額に1番と書かれている長女れいむをツマ楊枝で突っつく。 「ゆぴゃ!」 サッと俺はダンボール内から死角になる位置に身を隠し様子を伺うと 1匹だけ目を覚ました長女れいむは、薄暗い暗闇の中で親がいない事を思い出し 「ゆ・・・ゆゆ・・・おとーしゃん・・・おとーしゃんはもうかえっちぇこにゃいの? ゆ・・・ゆゆゆ・・・ゆわぁぁぁぁ〜ん!」 と大声で泣き出した。 この長女れいむを中心に輪になっていたところを見ると きっと他の5匹を励まして親がわりになっていたのだろう その心が折れて泣き叫んでいる今、どうなってしまうのかとハラハラしながら様子を伺った。 長女れいむの泣き声で他の赤ゆも目を覚ます。 「ゆゆぅ・・・ゆっゆっ、ゆえ〜ん!ゆえ〜ん!」 「ゆぅ?・・・ゆ・・・ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃーん!」 「ゆっ!?・・・ゆわわぁ〜ん!」 「ゆぅゆぅ?・・・zzz」 「ゆゆぅ?ゆゆ〜ん!ゆゆ〜ん!」 あれ、5番のよく寝るまりさだけ反応がないな。 見えないように、手だけスッとダンボール奥に忍ばせてツマ楊枝でチクリッ! 「ゆぴゅ!」 赤ゆからすればサソリのような生物が突如巣に襲い掛かってきたように見えるだろう。 それから、5番まりさも他の5匹が泣いているのを見てパニックに陥りふるふると震えて泣き出した。 「ゆえ〜ん、おとーしゃんたちゅけちぇー!まりちゃきょきょだよー!」 そのおとうしゃんが刺したわけですが(笑) さて、あんまり夜更かしすると体に悪いし今度こそ寝るか。ゆっくりゆっくり。 朝、すっかり赤ゆどもの事を忘れて居間に入ると 泣きつかれて葛饅頭のようになった赤ゆどもが俺に気がついて色めきたつ。 「ゆ・・・ゆゆ!おとーしゃんだ!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 「ゆゆっ?おとーしゃん!おとーしゃん!」 「ゆっくちちちぇいっちぇね!ゆっくちちちぇいっちぇぶぴゅ!」 「ゆわぁぁ〜ん!おとーしゃん!」 「まりしゃいいきょにしちぇるからもうどこにもいきゃないでにぇ!」 「ゆぅ〜ん!ゆゆぅ〜ん!」 ああそうか、昨晩赤ゆを飼い始めたんだっけ。 とりあえず、また白いメシでもくれてやるか。 ん? 箱の中を見ると、逆さにしたカップアイスの蓋の上に5個の餡子の固まりがあるが ペットボトルの蓋の中に1個、同じような餡子の固まりがこびりついていた。 「こっちにうんうんしたの誰だ?」 6匹の前にペットボトルの蓋をもって見せる。 すると、3番のれいむが前に進み出て 「れいみゅだよおとーしゃん、そっちでうんうんしたほうがおちりをこうやってズーリズーリふけてきもちいいんだよ!」 そういって、ゆっへんとお尻を突き出しピコピコと左右に動かして見せる。 「はい、おしおき」 ペットボトルの蓋をそのまま3番のれいむに被せる。 プチトマトサイズの赤ゆにとってペットボトルの蓋は目元まですっぽりと入って内側の溝のせいで手のないゆっくりには簡単には外れない。 「れいみゅのおべべがぁ〜!まっくらでみえにゃいよぉお!」 まるで、目を抉られたかのような事を叫んでいる。 その間に、他の5匹には白いごはん。 「れいみゅもたべりゅよ!ゆっくちたちゅけちぇね!ゆえ〜ん!」 「お前は、昨日ごはんなんてもう見たくもないとか言ってたよね。ゆっくりできないゆっくりはこうなるんだよ!」 長女れいむと4番れいむ、6番まりさは心配していたが、他の赤ゆはお構いなしにごはんを平らげていく。 「むっちゃ、むっちゃ〜ちあわちぇ〜♪」 成体まで育てて、無料で赤ゆ食い放題にするつもりだが 子育てをするのが大変だなと半日もしないうちに実感した。 ここは、どこかからか教育係の親ゆっくりを手に入れて育てさせるか。 部屋から出るときにまた、赤ゆどもが大騒ぎを始めるだろうと思ったので 食べてる間にこっそりと部屋を出て外へ出かけた。 子育てといえば目指すは、れいむ種かちぇん種だ。 おにいさんわかるよー。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
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・赤ゆの不幸話です ・一部独自設定含みます ・注意して書いたつもりですが、ネタ被り等ありましたらご指摘いただけると幸いです とある町の何処にでもあるような公園の一角、植え込みに隠れたダンボール製のゆっくりの巣の中にそれはあった。 ~儚き定めの~ 巣の中には一本の植物の茎が打ち捨てられていた。 それはゆっくりの植物型妊娠の際に額から生える、親と子を繋ぐ哺乳類の臍の緒と同じ役割を果たす物であった。 既に栄養の供給元を失ったそれの側には、干からびて黒ずんだ赤ゆの死骸が散乱している。 しかしその先端にたった一匹だけ存命中の赤ゆがいた。 恐らくは死んでいった姉達が末の妹の為に自身の餡子を差し出したのか、 はたまたこの赤ゆが姉達の餡子を奪ってまで生き延びようとしたのか…。 今となっては真相を知りうる者はこの赤ゆだけであるが、その最後の生き残りがぷるぷると震えだした。 程なくお帽子の先端が茎との接続点たる萼から切り離され、赤ゆはダンボールの地面をコロコロと転がった。 慣性法則に翻弄されながらも懸命に起き上がると、赤ゆ改め赤まりさは開口一番お決まりの台詞を叫ぶ。 「ゆっくちちていってにぇ!!!……ゆぅ?」 返事はなかった。 凛々しく頼もしい父の、優しく慈愛に満ちた母の、共に生まれ落ちた姉妹達からの、 祝福の籠もった挨拶を期待した赤まりさの思いは見事に打ち砕かれたのである。 「ゆゆゆっ!?ゆっくちちていってにぇ!!!ゆっくちちていってにぇ!!!ゆっくちちていってよぉーっ!!!」 誰か居ないのか、最悪両親じゃなくても誰でもいい、挨拶を返して欲しい。 そんな赤まりさの思いとは裏腹に、挨拶に返事を返す者はいない。 「……ゆぐっ、ゆぐっ……にゃんで…、にゃんでだれもごあいしゃつしちぇくれにゃいのにょ…? ゆぐっ、ゆぐっ、ゆっ、ゆっ、ゆびえぇぇぇぇぇぇーん!!おぢょじゃあぁぁぁぁぁぁーん!!おがぁじゃあぁぁぁぁぁぁーん!! ごあいしゃつしちぇよおぉぉぉぉぉぉー!!しゅーりしゅーりしちぇよおぉぉぉぉぉぉーっ!!ゆびえぇぇぇぇぇぇーん!!」 しかし泣けど叫べど両親はおろか他ゆん一匹現れる気配も無い。 そうこうしている内に泣き疲れた赤まりさを空腹感が襲い始めた。 「……ゆぅ、おにゃかすいちゃ……………………ゆ?こりぇ、むーちゃむーちゃできゆのかにゃ?」 数刻前まで自身が繋がっていた茎を見つけた赤まりさは、餡子に刻み込まれた本能で察したのかそれにかじりついた。 「むーちゃむーちゃ…、むーちゃむーちゃ…」 最初の一口は僅かながら苦味を伴うものの、噛み締めるほどに仄かな甘味が口の中いっぱいに広がっていく。 しかし其処に「しあわせー」など存在しない。 ゆっくりとしてこの世に生を受けてからの初めての食事。 両親に見守られる中、与えられたご飯を共に生を受けた姉妹達と一緒に食し、 その満ち足りた感覚を共有する事でゆっくりは初めて「しあわせー」を感じる事が出来るのである。 だが今の赤まりさにはご飯を与えてくれる両親も、感覚を共有出来る姉妹も居ない。 その寂しげに茎をはむ租借音だけがおうちの中に虚しく響き渡っていた…。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「……ゆぅ、ぽんぽんいっぱいぢゃよ。……にゃんだかしゅーやしゅーやしたくなっちぇきちゃよ……… まいしゃしゅーやしゅーやしゅるよ…………」 空腹が満たされた事による安心感から、睡魔に捕らわれた赤まりさは早々に眠りに落ちた。 本来であれば両親が作ってくれたふかふかのベッド、お休み前のすーりすーりに子守歌、 これらが赤まりさに更なるゆっくりをもたらし、その後に続くであろうゆっくりとしたゆん生を期待させた事であろう。 しかし現実にこのおうちにいるのは赤まりさ一匹だけ。 他には誰も居らず、何もない、揺らぐ事のない孤独という事実がそこには存在していた。 「………ゆぅ………おちょーしゃん………おきゃーしゃん………」 時折発せられる寝言から察するに、恐らくは両親の夢でも見ているのであろう、閉じられた瞳から一筋の涙がこぼれ落ちた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「………………………………き…………………ぜ!!…………うちにするのぜ!!」 「……………ゆ?………おちょーしゃん?」 何者かの声に目を覚ました赤まりさは眠気をこらえて起き上がった。 ようやく他のゆっくりに出会えた、ひょっとしたらお父さんかお母さんかもしれない、 そんな淡い期待を抱きつつ赤まりさはありったけの声を張り上げる。 「ゆっくちちていってにぇ!!!」 「!?、ゆっくりしていってね!!!……なんなんだせ、このチビは?」 「ゆ?まいしゃはまいしゃぢゃよ、まいしゃがまいしゃにょおちょーしゃん?」 「おまえなんかしらないんだせ!!ここはまりさとありすの”あいのす”になるんだぜ!! 関係のないチビはさっさと出て行くんだぜ!!」 「ゆー!!ここはまいしゃにょおうちにゃんだよ、まいしゃこしょきゃってにはいってこにゃいでにぇ!!」 「なにいってるんだぜ、さっきまりさがおうちせんっげんっしたのぜ!! だれもはんっろんっしなかったからこのおうちはまりさのものなんだぜ!! おかしなチビはさっさとでていくんだぜ!!」 まりさは赤まりさを口にくわえ、入り口から勢いを付けて放り出した。 「やめちぇにぇ、はなしちぇ――――ゆー♪おしょらをとんでゆ――――ゆぶべっ!!……ゆげっ!!がはっ、がはっ!!」 地面に強かに身体を打ちつけた赤まりさは、落下の衝撃で餡子を吐き出してしまった。 致死量で無いとは言え体内の餡子量が少ない赤ゆにとっては結構なダメージである。 「かえしちぇにぇ…、まいしゃのおうち、しゅてきなおうち、かえしちぇにぇ…」 そんな事を気にする様子もなく赤まりさは傷ついた身体に鞭打って、おうちを目指してあんよを進めようとした。 しかし… 「ゆびいぃぃぃぃぃぃー、あんよぎゃいぢゃいよおぉぉぉぉぉぉーっ!!じめんしゃんはいじわゆしにゃいでにぇぇぇぇぇぇぇーっ!!」 着地した土の地面は固く、おまけに細かな砂利が多く混じっている。 生まれて間もない赤ゆのあんよは充分な厚みとある程度の硬さが備わっていない為、ぴょんぴょん跳ねて移動することが出来ないのだ。 従って子ゆっくりサイズに成長してあんよが安定するまでは、ずーりずーりと這いずるか親に運んで貰うしか移動手段を持たない。 しかしこの様な砂利の混じった地面でのずーりずーりはヤスリの上を這いずり廻るようなものだ。 そんな事を続けていればたちまちあんよは削り取られ餡子が剥き出しになってしまう。 せめて転がる事(こーろこーろ)での移動に気が付いていれば、まだ状況は好転していたかもしれない。 しかし其処までの知恵を赤ゆに求めるのは、正直酷と言わざるを得なかった。 更に追い討ちを掛けるかのように昨日から怪しかった空模様がとうとう崩れだした。 ぽつん… 「ゆぴぃっ!!ちゅべたい………あめしゃんだあぁぁぁぁぁぁーっ!!」 ぽつりぽつりと降り出した雨は少しずつ勢いを増してゆく。 赤まりさは必死にあんよを引きずっておうちを目指そうとした。 だが人間にしてみればたった2m程度の距離も、赤ゆにとっては数十kmもの長距離に感じられたことだろう。 絶対的絶望がその場を支配していた。 だがそれでもなお赤まりさは、根拠無き希望にすがりつき前へと歩を進める。 「やめちぇにぇやめちぇにぇ、あめしゃんゆっくちやんじぇにぇ、まいしゃにいじわゆしにゃいでにぇ、ゆんやあぁぁぁぁぁぁー!!」 最早あんよはずーりずーりの影響もあってか、グズグズになってしまい一歩も動く事は出来ない。 お帽子も大量の水分を吸い込んで鍔の縁は既に溶け出し、その役割も限界を迎えつつあった。 「…いぢゃい、ぐりゅじいよ………、どぼぢで、どぼぢでみんにゃいじわゆずるにょ……、どぼぢでみんにゃまいじゃをいじめゆにょ……、 どぼぢでおぢょーじゃんもおがーじゃんもまいしゃをたじゅげでぐれにゃいにょ……、どぼぢで…、どぼぢで…」 雨はその後も勢いを弱める事なく赤まりさの身体も心も少しずつ削り、溶かして、泥水の中へと混濁させていく。 生まれ落ちて一時のゆっくりも与えられる事なく、赤まりさの孤独で短い、ゆっくり無きゆん生はここに幕を下ろしたのであった。 ~終~ 鋼あきの過去作 餡子話 anko1461 ゲス一家 anko1501 ゲス一家 case2 ~とかいは~ anko1573 権利と anko1649 ゆっくりの耳掃除 anko1708 ゲス一家 case3 ~あまあま~ anko1729 ゆっくりを求めて anko1749 ゲス一家 case4 ~けんじゃ~ ぬえ nue098 メタルゆ虐ス nue124 噂の
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『ジグゾーパズル(後編)』 29KB 制裁 思いやり 愛情 お家宣言 家族崩壊 親子喧嘩 番い 野良ゆ 赤ゆ ゲス 透明な箱 現代 以下:余白 『ジグゾーパズル(後編)』 三、 「はい、これ。一応、丸飲みしてたみたいだからなんとか描いてある絵はわかるよ」 「ありがとう」 少女は親れいむに飲み込まれたピースを少年に渡した。少年は受け取ったピースを大事そうに箱の中へと戻す。 満身創痍の親れいむは、親まりさにぺろぺろと舐めてもらいながら透明な箱の中だ。常時怯えて震えている赤ゆ二匹もそれとは別の透明な箱に閉じ込めてある。 少女はとりあえず親れいむの腹の中にあったパズルのピースを摘出する作業を終えて、今は荒らされた室内の掃除を始めていた。 幸いにして大きな被害はラジオくらいのものだったが、そのラジオも七、八年使ってきた思い出の品だ。テレビよりもラジオが好きな母親に、父親が買ってきてくれたもの。 まさか、それが野良ゆっくり如きに壊されるとは思いもしなかった。 少女としても腹は立つが、今は亡き夫の忘れ形見の一つを無下に壊された事を母親が知ったらどんな気持ちになるか想像に難くない。 この事は後から気が付いた。先にこの事を知っていたら、勢い余って一匹ぐらいは衝動で殺してしまったかも知れないと少女が拳を固く握る。 おうち宣言をされて野良ゆっくりの相手をするのも疲れるが、一番堪えるのは荒らされた部屋の片づけをしている時であろう。 ただ散らかされるだけでなく、泥や土埃を部屋中に撒き散らされるのだ。 これが空き巣や自然災害などであれば犯人がこの場にいない為、なんとなくだが諦めがつく。しかし、おうち宣言の場合は大抵犯人である野良ゆっくりが残っているのだ。 後で殺すなり保健所に送って処分するなりしても、野良ゆっくりが荒らした部屋を野良ゆっくりの前で片づけるという絵面は精神衛生上、よろしくないものがある。 「片づけ、終わりそう……?」 「お姉ちゃんを馬鹿にするな、弟よ。大丈夫。掃除と洗濯は、お母さんよりも上手な自信があるから」 「手伝ってあげられなくて、ごめん……」 「……え?」 「僕さ、やっぱり役に立たないよな……。家に入ってきた野良ゆっくりも追い返せないで、パズルも壊されて、ピースも飲み込まれて。全部、僕が不甲斐ないせいでこんな事に なってるのに、全部、姉ちゃんにやってもらってるんだ。だから……」 「だから、何よ?」 「やっぱり僕は……」 「はいはい。ネガティブ思考禁止条例発令です」 「姉ちゃん……」 「あんたがいないと最高に悲しむ人間が最低二人はいるの。後ろ向きな事言ってる暇があったら、さっさとパズルを完成させなさい。お母さんに見せるんでしょ? 自分はここ にいる、っていうことを……少しでもたくさん証明したいんでしょ? だったら頑張る頑張る」 少女は少年の部屋の中に撒き散らされた餡子や砂糖水などを雑巾で拭き取りながらそう言った。少年が気付かれないように目頭を押さえる。 パズルを組み上げること。いつしかそれは少年にとって自己の存在をアピールする手段の一つとなっていた。 少年が親れいむの体内から摘出されたパズルのピースを摘み上げて無言で頷く。それを横目で見ていた少女も気付かれないように口元を緩めた。 それから少年は一言も口を利かずにパズルへと向き直った。少女も特別声をかけない。こうなった少年に何を話しかけても無駄だ。返事は絶対に返ってこない。 (集中しちゃったな。ある程度片付いたし、私もそろそろ自分の“作業”に戻るとするか……) 少女が何も言わずに部屋を出て行く。扉を音がしないように閉めたが、たとえ音がしたとしても少年は気付かなかっただろう。 雑巾とバケツを洗面所に置いてきた少女がリビングに戻って来ると、透明な箱の中に入れられた親まりさ、赤れいむ、赤まりさが口々に罵声を浴びせ始めた。 その中で唯一、親れいむだけは少女に対する恐怖心が刷り込まれているのか、ガタガタ震えて箱の隅に頬をぴったりとくっつけている。 親まりさが、親れいむの事をチラリと見ながら叫び声を上げた。 「みるのぜ!! くそばばあがひどいことをしたせいで、れいむがこんなにこわがってるんだぜっ!!! しねっ!! くそにんげんはすぐしねっ!!!!」」 「おきゃーしゃんをいじめりゅくしょばばぁは、しぇーしゃいしちぇやりゅよっ!!!」 「まりしゃ、じぇったいにゆるしゃにゃいのじぇっ!!! ばきゃなにんげんしゃんは、ゆっくちしにゃいで、しんでにぇ!!!」 「フフ……。れいむ、私が怖い?」 少女が氷のような笑みを浮かべて、親れいむと親まりさが入った箱に顔を近づける。親れいむは、ちょろちょろとしーしーを漏らしながら、 「こ、こないでねっ!!! こっち、こないでねっ!!!」 後ずさりをするように、少女の顔を見つめたまま後ろへと這っていく。 親まりさが顔を真っ赤にしながら少女の事を罵った。子供が口喧嘩をするように次から次へと言葉をまくし立てる。それら全てが、少女の耳には届かない。 少女はクスクス笑いながら透明な箱から親まりさを取り出した。 両頬を抱えられて持ち上げられた親まりさがあんよをぶるんぶるんと振り回してその拘束から逃れようとする。 しかし、基本的に球形をしているゆっくりが一度持ち上げられてしまえば、そこからの抵抗はまるで無意味。体をぐねぐね動かしたところで少女の手は振り払えないのだ。 少女はあらかじめ用意していた“道具”の真上に親まりさを持ってきた。 最初はこれが何をするための道具か野良ゆっくりたちには分からなかったが、ようやく遅れて理解したようである。 机の上にセットされているのは長方形の肩をしたステンレス製の板。板の中央には長さ二十センチほどの極太の針が垂直に聳えており、その根本の周りは緩やかに凹んでいる。 凹んでいる“それ”はゆっくりのあんよの形に合わせて作られたものだ。 「これはね」 一言少女が呟くと同時に、最大径二センチはある針に親まりさの底部をゆっくりと突き刺していった。 「ゆ゛っぎゃぁあぁああぁあああぁぁぁッ!!!!」 「こうやって使うのよ」 それから、ズブリ……ズブリ……と、焦らすように親まりさの体内へ極太の針を挿入していく。 親まりさは顔面蒼白になり、額からダラダラと汗を流し、弱々しいしーしーを漏らし始めた。 「い゛だい゛の゛ぜぇぇぇ!!! ぬ゛いで!! ぬ゛い゛でよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 「嫌よ。抜いてあげない」 “だぜ口調”がすっかり失われてしまうほどに親まりさは激痛に顔と体と心を歪ませていた。 対して親れいむは歯をカチカチと打ち鳴らして凍えるように震えていた。さらに赤ゆ二匹は放心状態のままカタカタ震えるだけのピンポン玉と化した。 目の前で家族が悶え苦しむ姿を見るのは精神的に辛いのだろう。今にも気が狂いそうになる残りのゆっくりたちを尻目に、少女はどんどん親まりさを針の根本へと沈めた。 やがて、親れいむのあんよがステンレス製の板の底にジャストフィットした状態で止まる。 この道具の目的は使用者によって大きく変わるが、ゆっくりの拘束具として使われるのが一般的だ。 ゆっくりを動けなくさせたい。そうするためにはあんよを使い物にならないぐらいに焼き焦がす、いわゆる“あんよ焼き”がセオリーだ。 しかし、それではせっかく恐怖心を植え付けたゆっくりがそれ以降、無様に逃げ回る姿を楽しめなくなってしまう。 そのために生み出されたのが、この簡易拘束具というわけだ。 透明な箱には監禁できても、自由までは奪えない。ゆっくりをゆっくりできなくさせるためだけに造られた道具の種類は実に豊富で、想像以上の需要を得ていた。 結局のところ、大多数の人間がゆっくりをストレス解消の道具としてしか見ていないという証明でもある。 「う゛ごげな゛ぃ゛の゛ぜ……い゛だい゛んだぜ……ゆっぐりぃ……ゆ゛っぐり゛ぃ゛……」 「ねぇ、まりさ?」 身動きの取れない親まりさの左頬を平手で勢いよく叩きまわしながら少女が優しく問いかけた。パァン、パァン、パァンと乾いた音が激しく何度も響く。 「さっき、何て言ったか覚えてる?」 「い゛だい゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「答えてよ」 今度は持っていた包丁を親まりさのこめかみの辺りに深々と突き刺す。親まりさは白目を剥いて痙攣を起こしていた。 少女が溜め息をつきながらオレンジジュースを垂らす。意識を取り戻した親まりさは「ゆ゛ひぃ、ゆ゛ひぃ……」と情けない声を上げた。少女が包丁を引き抜く。 「ひぐぅぅッ!?」 「さっき私がそこの糞饅頭の中から取り出した道具を見て何て言ったか覚えてるか、って聞いてんの」 「ごべんな゛ざいぃぃ!! も゛う゛じばぜん゛んん!!!」 「……はぁ?」 「ばでぃざだぢがわる゛がっだでずぅ!! だがら、ばでぃざだぢをお゛う゛ぢにがえじでぇぇ!!!!」 「ここがお前らのおうちなんでしょ? 死ぬまで居ていい、って言ったじゃない。二度も言わせないで」 「ゆひぃぃ!!! だずげでぐだざいぃぃ!!! おでがいじばずぅぅぅ!!!!」 「――――質問に答えろ!!!!!」 少女の凄まじい怒号に野良ゆ一家が一斉にしーしーを噴射した。放心状態だった赤ゆたちも意識を取り戻して、即座にしーしーを発射させる。 少女の視線は重く、暗く、それでいて鋭い。その目に睨まれているだけで精神が崩壊してしまいそうなほどの眼力だった。 「……って、いいました……」 「聞こえない。もう一回」 「ごみ、っていいました……」 「覚えてるなら最初からそうやって素直に答えなさいよ」 そう言いながら親まりさに往復ビンタをかます少女。既に親まりさの顔はあちこちが腫れ上がっており、一見すれば不細工なジャガイモのような姿になっている。 親れいむは泣きながら震えていた。言いたいことはたくさんあるはずだ。しかし、先刻の摘出手術からの恐怖か少女に逆らうことができない。 「さっき、お前がゴミって言ってた一欠片が、どれだけ大事なものかを体で教えてあげるわ」 「どういう……こと、なのぜ?」 「こういうことよ」 少女は途切れ途切れにしか喋ることのできない親まりさの側頭部に包丁を突き刺して、そのまま縦一直線に切り裂いた。 もう何度裏返ったか分からない親まりさの目玉が再び引っくり返る。お下げがびくびくと震え、頭の帽子がパサリとテーブルの上に落ちた。 赤ゆ二匹は「やめちぇよぉぉぉ」などと叫んではいるが、箱の奥で互いに身を寄せ合い、そこから一歩も動こうとしない。叫ぶことができた勇気を称えてやるべきだろう。 少女は先ほど切り裂いた場所から四センチほど離れた場所にもう一度包丁を突き刺し、同じように真っ直ぐ包丁を落とした。 親まりさはびくびくと痙攣を起こして白目を剥き、中身の餡子を大量に吐き出しながら気を失った。 少女が面倒くさそうに親まりさの頭頂部に包丁を突き立て、ぐりぐりと掻き回して穴をほがすと、そこから直接オレンジジュースを注入した。 意識を取り戻した親まりさが絶叫を上げた。その声は二つの透明な箱をビリビリと震わせるほどのもので、その声量に親れいむと赤ゆ二匹が目を見開いて涙だけ流した。 家族である親まりさがこの世のモノとは思えない叫び声を上げているのが恐ろしいのだろう。見慣れた家族が狂った化け物のように鳴き声を上げるのが恐ろしいのだろう。 少女はそんな野良ゆ一家のくだらないママゴトは気にも留めない様子で、やはり四センチ間隔で親まりさの顔を切り裂いていった。 ぐるりと一周して、顔面部分は手を加えていないものの、親まりさの顔は酷いものに変わっていた。 涙の痕がまるで干からびた川のように両頬に刻まれている。目玉が何度も何度も引っくり返ったせいで瞼がめくれ上がるかの如く浮き出ていた。 だらりと垂らした舌には一切の水分が含まれておらず、ナマコの干物のような異形の物体が口の中から吐き出されているかのようだ。 「ばけ……もにょ……」 「ち、ちびちゃぁあぁんッ!? どぼじでぞんな゛ごどい゛ぅ゛の゛お゛ぉ゛!?? まりさおかーさんだよっ!! わかるでしょぉぉぉ!?」 心無い赤ゆの一言に、親れいむが受け入れがたい現実を無理矢理受け入れて、泣きながら悲痛な声を上げた。 誰がどう見ても、化け物と呼ぶに相応しい。金髪とお下げがなければ、どんなゆっくりも“これ”を同族だとは思わないだろう。 親れいむはありったけの勇気を振り絞り、額を床に押し当ててまるで土下座をするような体勢で少女に懇願した。 「お゛でがいじばずぅ゛ぅ゛ぅ゛!!! ばでぃざをだずげでぐだざい゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「あらあら。死ねだの、何だの私には散々言っておいて、いざ自分たちが殺されかけたら命乞い?」 「ゆぐうっ……」 「それから、まりさを助けられるかどうはれいむ? お前次第だよ」 「なにを……いってるの……?」 「私がさっき、お前の体の中から取り出した物があったでしょう? あれはね。とても大事な物だったのよ。あれが一つないと完成しないものがあるの」 「わ゛かる゛よ゛う゛に゛せつめ゛い゛してよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「説明するよりも、実際にやってみた方が良いと思うの。だからちょっと待っててね」 「ゆ? ゆゆゆ?」 少女は、親まりさの顔の皮の一部をまるでミカンでも向くようにどろりと剥がした。約四センチの親まりさの皮が剥かれ、そこから中身の餡子が見える。 親れいむは絶叫を上げた。赤ゆ二匹も、また気を失ってしまった。このまま非ゆっくち症で死ぬのではないかと思うほどに二匹の精神はズタズタにされている。 ぺろりと垂れ下がる親まりさの皮は、あんよの手前辺りで止まっている。あんよを残して少女は剥かれた親まりさの皮を包丁で切って分離させた。 「がひっ……こひっ……!!!」 中身の餡子を外気に晒された親まりさは、それがよほど苦しいのか声にならない声を絶えず漏らし続けた。 少女が親まりさの中身にそっと息を吹きかけると、「ひぎいぃぃぃゃぁあぁぁあぁあぁぁ」と金切り声を上げる。染みるのだろう。 余興にと用意していたタバスコを一滴だけ中身の餡子に垂らした。それだけで親まりさは身動きが取れないにも関わらず、爆発したかのような凄まじい痙攣を起こす。 白目になりかけた親まりさに今度はオレンジジュースを垂らした。無理矢理現実に引き戻された親まりさが力の限りに泣き喚いた。 少女が切り離した親まりさの皮をハサミを使って適当なサイズに切り分けて行く。 「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛!!! ばでぃざのお゛がお゛があ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!」 泣きじゃくりながら大声を上げるのは親れいむ。 親まりさは自分の剥ぎ取られた皮が細かくバラバラに切られていくのを見て言葉も出ない様子だった。そんな親まりさの底部付近からどろりと餡子が垂れ始める。 少女はそれを親まりさの中に戻すと、今度は筆を使って水に溶いた小麦粉を先ほど切り開いた皮から覗く餡子に薄化粧を施すように塗っていく。 筆の先端が触れるだけでも激痛が走るのか、親まりさは何度も何度も体を跳ね上げようとした。しかし体は満足に動かない。当然、防御行動を行うこともできない。 少女はいつ発作を起こして死んでもおかしくない親まりさに圧さ五ミリ程度の薄い小麦粉の膜を作った。 「あんまり激しく動かないほうがいいわよ。これが固まるまでは大人しくてしてなさい」 「……ッ!!!」 少女の言葉に親まりさが何か言いたそうに眉を動かした。 「おでがい゛じばずぅぅぅ!!! も゛う゛やべであげでぐだざいぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」 親れいむの悲痛な叫び声には一切耳を貸さず、少女は実に淡々と作業を続けた。 まるで花びらのように垂れる切り裂かれた親まりさの皮。幾つかある皮の花弁のうち一つは切り落とされ、その代わりに薄い小麦粉の膜が張られた。 少女がその作業を複数回繰り返す。目視で死にそうになったと判断したらオレンジジュースを投与することで無理矢理に命を繋げてやった。 そうして出来上がったのは、底部付近と口周りの皮だけを残した醜悪なおはぎ。人体模型のような姿になった親まりさは目玉だけを右に左に動かしていた。 餡子を支える皮の役目を果たしているのは、極めて薄い小麦粉の膜。突けばすぐに破れて中身が漏れ出しかねない水風船のような状態の親まりさ。 親まりさも理解しているのだろう。暴れれば、この小麦粉の膜が破れ、次の瞬間には出餡多量で死んでしまうということを。だから、全身を小刻みに震わせるのが限界だ。 親れいむは親まりさの花弁が一枚ずつ切り離される様を視界に入れるたびに中身を吐いていた。今はぐったりして箱の隅に寄りかかっている。 少女は丁寧に細かく切った親まりさの顔の皮に、今度は厚さ一ミリ前後の小麦粉の膜を、焼く前の陶器に釉薬を塗っていくように薄く延ばしていた。 やがて、小麦粉の釉薬を塗られた親まりさの皮が一つ、また一つと積み上げられていく。それはまさに少年がパズルを作る際に色分けして積んでいた山の様である。 「はい。完成」 ――まりさパズル。 キャンパスの役目を果たすのは親まりさの中身とそれを優しく包む薄い小麦粉の膜。ピースは、先程まで親まりさの顔の一部だった皮。 少女は、親まりさの全身を使って即席の立体パズルを作り上げたのだ。 そして、それを組み立てるのは親れいむの役目である。 少女はぼんやりとした表情のまま動かない親れいむを透明な箱から外に出すと、二、三発殴って正気を取り戻させた。 呻き声を上げる親れいむの口に無理矢理オレンジジュースを流し込むと、程なくして顔に生気が戻って来る。 「いい、れいむ? この砂時計の砂が全部下に落ちるまでにまりさを元に戻してあげられなかったら、お前の子供を一匹殺すわ」 「どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 少女は大きな砂時計を自分の部屋から持ってくると、それをテーブルの上に置いた。この砂時計は中身の砂が全部落ちればちょうど十時間になる。 ゆっくりを相手に時間の説明をするには砂時計や水時計が一番手っ取り早い。時計の針がどうとか、何時間後にとか言っても理解する知性は持ち合わせていないのだ。 その点、砂時計を遣えば馬鹿なゆっくりにも容易にタイムリミットを設けることができる。 少女は一分、三分、十分、一時間……と実に様々な時間を示す砂時計を所持していた。 少女が自身を“砂時計マニア”と言ってまで家族に趣味を偽っていたのは、当然この使用目的と自分が虐待お姉さんであることを隠し通すためだったのである。 「子供を一匹殺したあとは、こうやってもう一回砂時計をひっくり返してあげる」 「ゆぁ……ゆぁぁあ……」 「それで、また砂が全部下に落ちたら、もう一匹の子供も殺すわね」 「ゆんやあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 親れいむが子供のような声を上げる。 少女は親れいむの目の前で二、三度拍手をして笑いながら言った。 「ほらほら、さっさとパズルを完成させなさい。まりさも子供も助けたいんでしょ? ――だったら頑張る頑張る」 四、 親れいむは必死の形相で目の前の“まりさパズル”に取り掛かった。 しかし、“まりさパズル”の難易度は極めて高い。何しろ、素材が親まりさの皮しか使っていないため、全てのピースが同じような肌色一色なのだ。 さらに立体的な構造をしているおかげで平面的な構造のパズルと違って、ピースの傾き加減や組み上げる順序にも頭を働かせなければならない。 更に、親れいむのピースを嵌める手段が口で拾って、口で組んで行くということしかできないため、圧倒的に時間が掛かる。 少女は確信していた。 このパズルを“二十時間以内”で完成させることなど絶対に不可能である。 「おきゃーしゃん!! ゆっくちがんばっちぇにぇ!!!」 「ゆっゆっ、おー! えいえい、ゆー!!」 透明な箱に閉じ込められた二匹の赤ゆが懸命に親れいむに声援を送っていた。 先程悪夢から目覚めたばかりの赤ゆたちにも、少女は懇切丁寧にこの“ゲーム”のルールを説明した。 そして、一時は再び現実という名の悪夢に苛まされていたのだが、「親れいむが親まりさを完成させれば自分たちも助かる」という事を理解してご覧の有り様である。 親れいむは親まりさの皮の一部を口で咥えることにも抵抗を覚えているらしく、何度も餡子を吐きそうになりながら作業を続けた。 「……ぎゃあああぁぁぁッ!!!!!」 「ゆあああぁぁ!!!! ごめんねっ、ごめんねっ!!! まりさ!!!」 親れいむが口に咥えた親まりさのピースを嵌めようとすると、中身の餡子に刺激が伝わるのだ。厚さ五ミリ程度の薄膜くらいでは中身に直接触られているのと大差ない。 大声を上げた親まりさは小刻みに震えながら必死に口を噤んだ。あまり大声を出すと、膜が破れて中身が流出して死ぬ。凄まじい拷問だった。 親れいむは自分の隣に置いてある砂時計を見ながら蒼ざめた表情を浮かべた。既に砂は四分の三ほど下に落ちてしまっている。 それだというのに、“まりさパズル”のピースはまだ一つも嵌められていない。 まずは残された底部の形状をヒントにピースの山から“正解”を探し出さなければならないのだが、その正当確率は百二十分の一である。 少女が暇潰しに親まりさの皮で作ったピースを数えると全部で百二十ピースもあったのだ。「気合を入れてバラバラにしすぎたかな」と舌を出す。 その後も、“まりさパズル”は一向に完成する気配を見せないまま、既に砂時計の砂は半分ほどが下に落ちていた。 ルールを理解しているのか、箱の中に閉じ込められた二匹の赤ゆたちも徐々に覇気がなくなり、次第に涙目に変わっていく。 「お、おきゃーしゃん……」 「…………」 「ゆ、ゆっくちしにゃいでがんばっちぇにぇ!!!」 「…………っ」 「なにやっちぇりゅのじぇっ!!! さっきかりゃ、じぇんっじぇんすすんでないのじぇっ!!!」 「ゆぎぎぃぃぃ!!! うるさいよ!!! しずかにしてね!!! しゅうちゅうできないよっ!!! ぷっくぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 「「ゆっぴゃあぁぁぁッ??!!!」」 親れいむが箱の中の赤れいむと赤まりさに渾身の力を込めて威嚇行動を行う。 その余りのプレッシャーに、二匹の赤ゆは後ろ向きにぴょんっ、と飛んでちょろちょろとしーしーを漏らした。 「子供に文句言ってる暇あるの?」 「……ゆぐぅッ!!!!」 少女の物言いに心底腹を立てているのだろう。親れいむは歯を食いしばりながら、親まりさのピースを咥えて嵌めて戻して嵌めてを繰り返した。 「~~ッ!!! っ!!! ――――っ!!!!」 叫び声を上げることのできない親まりさが苦悶の表情を浮かべていることに気付いた親れいむがキリッとした表情で親まりさに声をかける。 「だいじょうぶだよっ!!! まりさはれいむがかならずたすけてあげるからねっ!!!」 (ちがうんだぜぇぇ!!! れいむぅ、もっと、そろーりそろーり、やってほしいんだぜ……ゆ゛ぎゃあぁぁぁ!!!! い゛だい゛ぃ゛ぃ゛!!???) その気持ちを声に出して伝えることができない。 徐々に苛立ち始めた親れいむは親まりさのピースを乱暴に扱い始めた。そのせいで、先ほどから親まりさに激痛を与えてしまっている。 悶える親まりさは息も絶え絶えに親れいむの事を見つめていた。必死になって愛で訴えようとするもその思いは儚くも届かない。 少女はおもむろにジューサーミキサーを取出し、砂時計の横に置いた。 必死にパズルを続ける親れいむはそれに目も暮れず、ピースの山と親まりさの間を行ったり来たりしている。 それに反応したのは赤れいむと赤まりさだった。 「ゆぇ……?」 「なんなのじぇ……?」 少女はどこからか取り出したミカンの皮を向いて中身を丸ごと一個ミキサーの中に投げ込んだ。 不思議そうに二匹の赤ゆが少女の手の動きとミキサーの中のミカンを覗き込む。「なにがはじまりゅにょ?」と小首を傾げるような仕草でミキサーを見つめていた。 少女が前触れもなくミキサーのスイッチを入れる。 すると突然、いかにもゆっくりできなさそうな音が周囲に響き渡り、ミキサーの中が一瞬でオレンジ色に染まった。 あまりに突然の出来事に赤れいむと赤まりさは目を丸くしてきょとんとしている。 少女がミキサーを止めると、その中にはぐちゃぐちゃになったついさっきまでミカンだったものが入っていた。それに氷と砂糖、蜂蜜を足して再びスイッチオン。 二度目の轟音が響くと同時に赤ゆ二匹は理解した。 「やめ……ちぇ、よぅ……」 カタカタ震える二匹の赤ゆ。砂時計の砂が全部下に落ちた時、自分たちがどういう方法で殺されるのかを理解して、その顔を絶望一色に染めた。 あんな事をされたら死ぬ。間違いく死ぬ。赤ゆ二匹は恐怖で引きつった顔に大粒の涙を流し、ぷるぷると顔を横に振った。 一度目の砂時計の砂はもう残りわずか。結局、少女は十時間近く不眠不休で野良ゆ一家の傍にいたのである。 「ゆんやあぁぁぁ!!! おきゃーしゃあぁぁぁん!!!! はやくしちぇよぉぉぉぉぉ!!!!」 「おにぇがいなんだじぇっ!!! まりしゃ、しんじゃうのじぇえぇぇぇえぇ!!!!!」 信頼し合っていたはずの野良ゆっくり親子の絆は一瞬にして崩壊した。 赤ゆたちは我が身可愛さに実の母親ゆっくりを口汚く罵倒し、不平不満を繰り返す。 対して助けようとしている赤ゆに罵詈雑言の限りを浴びせられた親れいむは顔を真っ赤にしながら大声で怒鳴り散らした。 「ゆっがああぁぁぁぁ!!!! うるさい、っていってるのがわからないのぉぉぉぉ!? ばかなのっ?! しぬのぉぉぉぉッ!??」 「……死ぬよ」 「ゆ?」 少女が親れいむに声をかけた。親れいむが恐る恐る少女の方へ振り返る。 少女の手には砂時計。その中身の砂が、全部下に落ちてしまっている。タイムリミットである“最初の十時間”が経過したのだ。 親れいむ、赤れいむ、赤まりさが息を呑んで黙り込んだ。 少女は透明な箱の中に手を伸ばすと、赤まりさを摘まんでひょい、と持ち上げた。 「おしゃらをとんじぇ……ゆ゛びゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!! やじゃ、やじゃ、やじゃあぁぁ!!! まりしゃ、しにたくにゃいのじぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆんやー! れーみゅのいもーちょがぁぁ!!!」 「うわぁぁぁぁ!!! や゛べでぐだざい゛!! お゛でがい゛じばずぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!」 親れいむがテーブルの上でずりずりと右往左往する。 赤まりさは顔をくしゃくしゃにして泣きながら、親れいむを見下ろした。見つめ合う二匹の親子。互いに言葉が出ない。 少女は赤まりさをミキサーの中に入れた。 ミキサーのガラス壁の向こうで赤まりさが俯いたまま、ポソリと呟いた。 「おきゃーしゃん……」 「ち、ちびちゃ……」 「――どうしちぇ、ゆっくちさせちぇくれにゃかったのじぇ?」 ――ブチブチブチィィィィグチュグチュグチュグチャァァァァァァ!!!!!! 「う゛、う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」 刃が高速回転する音。赤まりさの柔らかい皮が引き千切られて爆散する音。絡まった髪の毛を一瞬で毟り取る音。中身の餡子が液状化するまでシェイクされる音。 全ての音が合わさって一つとなり、赤まりさの断末魔の悲鳴も掻き消して、餡子色に染まったミキサーの内部はそのまま見えなくなった。 親れいむが滝のように涙と汗としーしーと涎と良く分からない汁を垂れ流す。瞳孔を開き、干からびた舌を口外に出して、ガタガタガタガタ震えていた。 赤れいむは一瞬で意識を失ったらしく、仰向けに倒れたまま揉み上げをしならせてピクリとも動かない。 少女がわざとらしく大きな音を立てて、砂時計をもう一度ひっくり返した。 その音に反応して親れいむがさらさらと落ち始める砂時計の砂を視界に入れる。両方の揉み上げがピンと伸びた。 「ゆ゛っぐり゛じだい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!!」 泣きながら親れいむが再度パズルと向き合う。 あーでもない、こーでもないとゆんゆん唸りながら単純作業を繰り返す。永遠とも感じられるほどの長い時間、繰り返す。 そのとき。 親れいむが置いた親まりさの皮が底部の端っことぴったりくっついた。 「――――っ!!!」 「……あら、正解だったみたいね」 底部と同じ断面を持ち、親まりさの中身と同じ輪郭を持ったピースは綺麗に本来あるべき場所に戻された。 それを見た親れいむが歓喜の声を上げる。残り百十九ピースもある親まりさの皮の欠片に再び顔を突っ込んだ。 理由は分からないが、親まりさのピースは次々と嵌めこまれていった。やたらと調子がいい。パズルをやっていれば、そういう事はたまにある。 親れいむははまるで親まりさのピース一つ一つに手招きされるように、積み上げられた皮の欠片の山から選んだピースを咥えていった。 (なかなかどうして。頑張るわね) しかし、それも長くは続かない。 残り四十ピースほどになったあたりで親れいむの動きは再び沈黙してしまった。横目で砂時計を見る。もう、砂はほとんど残っていなかった。 「に゛ん゛げん゛ざん゛ん゛っ!!! だずげでぐだざい、お゛でがい゛じばず゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!!」 親れいむはもう何度目かもわからない謝罪を再び叫んだ。 少女が気絶しっぱなしの赤れいむを掴んでミキサーの中に入れる。親れいむは、ミキサーのガラス壁越しに、何度も最愛の我が子の名を呼んだ。 やがて、砂時計の砂が全て落ちる。 少女は一切の情け容赦なくミキサーのスイッチを入れた。 親れいむの目の前で赤れいむは先ほどの赤まりさ同様に餡塊となりその命の灯を一瞬で消した。 「ゆっくり……ゆっくりぃ……ゆっ、ゆっ、ゆぅ……ちびちゃん、ちびちゃん……」 うわ言のように呟きながら親れいむが親まりさのピースを咥えてパズルを再開した。せめて、親まりさだけでも助けようと言うのであろう。 残り少なくってきたピースを少しずつ埋めて行く。最後の最後になってようやく要領を掴んできたようだ。 少女はさすがに眠気の限界が訪れたのか、自分の部屋で泥のように眠り続けていた。 親れいむがずっと“まりさパズル”を組み立てているのか、リビングからは親れいむがテーブルの上を這う音が聞こえてくる。 翌朝。 「ゆあああぁぁぁ!!!!!!」 親れいむが絶叫を上げた。 目にクマを作り、寝癖のついた髪のまま少女がリビングへとやってきた。 親れいむはテーブルの上で気が狂ったように暴れている。やがて、少女の姿を見つけると、激昂しながらその咆哮を彼女に向けて上げた。 「ばでぃざのお゛がお゛のがげら゛ざん゛を゛がえ゛ぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!」 少女が“まりさパズル”を見る。親まりさはほとんど完成していた。しかし、左目の下に一ヶ所、埋まっていない場所がある。 当然だ。最初から、少女は“まりさパズル”のピースを一つだけ抜いていたのだ。つまり、親れいむがどう足掻こうと、赤れいむと赤まりさを救うことはできなかった。 しかし、この行為にこそわざわざこんな無駄に手の込んだ仕掛けを作った理由がある。 もともとは、親まりさと親れいむが、少年の作りかけていたパズルを壊し、ピースを一つ飲み込んでそれをゴミ呼ばわりしたことから始まった一連の流れ。 少女が親まりさの最後の欠片を取り出して、親れいむに見せた。 それを見た瞬間、親れいむがぼろぼろと涙を流す。大事な大事な親まりさの最後の一欠片。それが組み合わさって、ようやく親まりさは親まりさになる。 そこまで考えてから、親れいむはハッとした様子で少女を見上げた。 ――ふざけるなぁぁぁぁ!!! そんな、ごみをひとつとるためだけに……あんなひどいことをしたのぜぇぇぇ!? しねっ!! ゆっくりできないくそばばあはしねっ!!! 同時に親まりさが少女に対して叫んだ言葉を思い出す。 あの時と、状況が逆転していることに親れいむは気付いたのである。 そして、たった一つしかない“欠片”を自分たちはどうしたか。 「がえ゛じで、ぐだざい゛……お゛でがいじばず……」 親れいむがぼろぼろ泣きながら哀願してきた。 少女がクスリと笑う。親れいむは何度も何度も「お願いします」を繰り返した。喉が枯れて、言葉を上手く発することができなくても、 「お゛で、が……じば……」 繰り返し続けた。 少女は親まりさの最後の一欠片をテーブルの上に置いた。親れいむが「信じられない」とでも言いたげな表情で少女を見上げる。 「返してあげるわ」 「――――ッ!!!!」 目の前に置かれた愛しい親まりさの最後のピース。それを目の前にして親れいむは静かに泣いた。そして、声にならない声で呟く。 「ありがとう……ございます……」 親れいむがピースを咥えて、それを親まりさの左目の下に嵌めた。 “まりさパズル”の完成である。 「まりさっ!!! まりさっ!!! ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!!!」 親れいむが感極まって泣きながら親まりさの名前を呼んだ。しかし、親まりさは無言のままピクリとも動かない。 「まりさ! れいむ、がんばったよっ! がんばって、まりさをもとどおりにしてみせたよ!! ほめてねっ!! ほめてねっ!!!」 しかし、親まりさは動かない。 「まり、さ……?」 親れいむがようやく異変に気付いた。親まりさの頬に恐る恐るすーりすーりをする親れいむ。 二匹の頬が触れた瞬間、親れいむは思わず後方に飛び退いた。 「つめ、たい……?」 「当然でしょ」 「どうして……?」 親れいむはカタカタと震えながら、親まりさをぼんやりと見つめた。 「れいむ?」 少女が親れいむに語りかける。親れいむは今にも消え入りそうな顔で今度は少女を見つめた。 「自分たちの中身である餡子に、あんな乱暴に皮を何度もぶつけられれば……そりゃ中身が傷ついて……死んじゃうわよね?」 “まりさパズル”が完成しない事に焦り、苛立ち、ピースを乱暴に貼り付けては剥がしてを繰り返していた親れいむ。 中身の餡子に息を吹きかけられただけでも想像を絶する激痛が親まりさを襲っていたというのに、親まりさそれ以上の刺激を二十時間近くずっと与え続けられていたのだ。 それも大好きな大好きな親れいむに。 親れいむは気付いていなかったのだろう。 少女が砂時計を再度ひっくり返した時点で、既に親まりさが息絶えていたということを。 「れい……むが……。れいむ、のせいで……まりさが……ちびちゃんたちが……」 親れいむがテーブルの上でぐらつく。そして、しばらくうずくまって「ゆんゆん」と唸っていたかと思えば……。 「ゆひっ……ゆっくり……っ。ゆっくきゅきゅ、ゆっくりぃ? ゆっくりぃ! ゆぴぴぴぴぴぴぴ……」 すぐに発狂した。 廃ゆになってしまった親れいむはテーブルの上で延々と言葉になりきれていない雑音を漏らし続けていた。 少女がひと思いに親れいむをハンマーで叩き潰す。 テーブルの上にはついさっきまで動いていた饅頭が、巨大な破れ饅頭と化して横たわっていた。 五、 「完成したの?」 「うん。姉ちゃん、この写真、どこで撮った写真か分かる?」 「……子供の頃、家族で登山に行った時の写真だね。お父さんも、いる」 完成した二千ピースのパズルを見て少年と少女が思わず目を細めた。 そのパズルに描かれていた景色は幼いころ、少年が登りたいと言っていた山に家族で登山をしたときの写真だった。 少女が目に涙を浮かべて、パズルの中の父に人差し指で触れる。 「……完成できて、良かったね」 「うん」 「お母さんからのメッセージ。絶対忘れちゃダメだよ?」 「――うん」 背後には澄んだ色をした火口湖。遥か地平線の彼方に続く色彩鮮やかな森の絨毯。 急峻な崖と、露頭した岩肌。「山頂」と書かれた立札。 中央に映る四人の人物。少年。父親。母親。少女。 そして、その頭上に書かれた母親からのメッセージ。 ――どんなに離れていても、私たちの心はずっと傍に。 玄関のチャイムが鳴った。 少年と少女が互いの顔を見合わせる。それから笑い合って、少女が玄関へと駆け出した。 少年がこれまで見ていた世界は、幾つものピースが欠けた世界だった。 その欠けた世界を埋めようと、少女が、母親が、必死になって少年の為のピースを見つけてきてくれて、一つ、また一つとそれらを少しずつ少年に渡してくれた。 (いつか、僕も……姉ちゃんとお母さんに、足りないピースを……見つけてきてあげられるかな……。見つけてこれると……いいな) それぞれが誰かにとってたった一つしかない大切なピース。 失くされてしまうことなく、奪われてしまうことなく、在るべき場所に嵌まる為に、自分という存在を見失わないようにする事。 それが自分にできる精一杯の“生きていく”という事だと、少年はようやく気付くことができた。 ジグゾーパズルに書かれた母親からのメッセージを何度も何度も読み直して、少年はとても清々しい顔で笑った。 La Fin
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・ぬちゃぬちゃあきの超小ネタ ――――――――――――――――――――――――― 俺はしょっちゅう飼いゆっくりと外食しに行く。 今日は給料日だったから焼き肉に入ったんだ。 「うー♪めーりんいっぱいたべる♪」 「そうだなぁ。俺より食べてるよな・・・・・・金足りるか・・・」 余りにめーりんがいっぱい食べるのでちょっと怖くなってきてしまった。 「じゃおーん!!」 ま、うれしそうだからいいけど。 「ほら、ふらん。焼き赤ゆもっと食べろ。」 俺はゆっくり焼き用の赤ゆを網に乗せる。 「ゆぎゃあぁぁぁぁ!!!あぢゅいぃぃぃぃ!!!!!」 「わぎゃらにゃいよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「うー。もっとたべる!うー、しね!!ゆっくりしねっ!!」 ふらんは網に乗った赤ゆを箸でつついてより甘くしたいみたいだ。 一方めーりんはまだ食べる。食べる食べる。 「じゃおォン」 「めーりんはまるでゆっくり火力発電所だ・・・・」 「うー?なにいってるの?」 「なんでもないよ・・・・・・・」 もうめーりん連れて焼き肉や来ない!とか思いつつ、涙を流す俺であった。 「じゃおーん♪」 ――――――――――――――――――――――――― 小さくまとめました ではでは
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『野良は家を出てどうなったか』 18KB 観察 自業自得 差別・格差 改造 日常模様 番い 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 ぺにまむ テンプレが書きたくて テンプレをめざしました 1. 「ここがありすのどーるはうすさんよ。きょうからまりさもここでおにいさんのおせわになるの」 それは加工所製のありす専用の品で、人間の少女がおもちゃの人形を住まわすための人形の家を 模した、人形遣い属性にとってはとてもゆっくりできる作りの洋館風ゆっくり小屋である。 野良まりさのかつての豪邸(ダンボール・ハウス)とは比べ物にならないくらいの立派な新居を 見て、まりさは気が大きくなってしまった。つい、お家宣言が飛び出してしまったほどだ。 「ゆっ、ここをまりさのゆっくrぶぐぇえ~?」 「調子に乗るな、このクソ野良上がりがぁ~」 気付くとまりさは壁とちゅっちゅっしていた。男の足がぶーらぶーらしている。どうやら足で 蹴られたようだ。じんじんとまりさの頬が痛む。少しいびつにへこんだ頬をぷくーっと膨らませて 戻そうとしたら男に追撃を受けた。軽い平手打ち1発でまりさの頬はまたへこむ。 「威嚇か?どんだけガラが悪いんだ?」 「(ちがっ、まりさ、きずをなおそうとしただけなのぜー?)」 「なぁ、ありす。やっぱりこいつ捨てようぜ。いくらありすが金バッジ試験に合格 したお祝いだからって、お兄さんちょっと甘すぎたわ。なんでも言うこと聞くってのは、 やっぱなし」 「ずるいわ~、ありす、このひのためにいっしょうけんめい おべんきょうしたのよ?」 「いや、番を持ちたいってとこまでは認める。でも飼うんなら、やっぱペットショップ で餡統証もしっかりした金まりさにしようぜ」 「いや~、『この』まりさじゃなきゃ。いやぁぁ~」 「ゆふん、そうなのぜ。まりさはまりさなのぜ。まりさのかわりはいないのぜぇ~?」 いささかぴきぃとしながら、あまりにありすが抵抗するのでとうとう男も折れてしまう。 なにしろ今日はありすのお祝いのための記念すべき一日なのだ。 『野良は家を出てどうなったか』 男はゆっくりを飼う事のできる共同アパートの一角に1LKの部屋を借りて、銀バッジありす との2人暮らしを続けていた。男は仕事の終わった余暇時間のほとんどを使って飼いゆの ありすに勉強を教えながら、自分も学生時代以来の受験勉強に全精力を費やした。 それだけに今回の金バッジ合格を祝いたいのは、なにより自分自身に対してであったの かも知れない。男がありすに甘い顔をしたのも共に苦労したこの三ヶ月があったればこそだ。 もっとも、ありすが欲したのはただの番でも、ただのバッジ持ちまりさでもない。飼いありす とは身分の違う、野良出身の卑しいまりさがご所望であった。 飼いゆっくりというのは何かとストレスのたまるお仕事であり、人間の都合の良いゆっくり としてゆっくり出来ない生活も我慢しなくてはならない。その日々の不満を自分より立場の 低い元野良を番(兼すっきり奴隷)とすることで見下して、憂さを晴らしてゆっくりしたい。 それがありすの望みだった。 なればこそ、ペットショップで購入する毛並みの良い美ゆっくりのまりさではなく、お兄さんと 毎週散歩に通った公園に住む、このありふれた野良まりさを見初めたような振りをしたのだ。 「じゃあ、飼いゆになったまりさにも家のお手伝いをしてもらおうかな」 「ゆっ。まかせるのぜ。なにをすればいいのかぜ?」 男はとりあえず何かまりさでもできそうな雑用を探した。靴箱の上に置きっぱなしの回覧板が目に ついた。 「えーと、なになに。区議会で決まったコンポスト設置条例ですがいよいよ各戸に設置されます、 来月末までに順次・・・。ふーん」 内容を流し読みすると、ハンコに替わるサインをしてバインダーごとまりさに預ける。 「いいか、これをお隣さんの戸口まで持っていくんだ。こんこんってノックして『かいらんばん です!』ってきちんと挨拶してこいよ?」 「らっくしょーなのぜ、ゆっくりりかいしたんだぜ。まりさ、いってくるのぜ!」 こうしてまりさは野良の立場からありすのすっきりドールにくらす・ちぇんじし、男の部屋のなか にあるありすのどーるはうすに間借りする飼いゆっくりとなった。 2. その夜、さっそくありすはまりさに夜這いをかける。 すーり、すーり。 すぴーすぴーと寝息を立てるまりさの頬をぬらぬらと妖しい光をまとった頬がこすりあげる。 すーり、すーりすりすり。 「・・・ゆっ?ありす。な、なんなのぜ?」 「ゆふー、ゆふー。あら、いまおめざめかしら、 まりさ。ゆっくりしていってね!」 「ゆ。ゆっくりしていってね!・・・ちがうのぜ、かりもうまくて さいっきょうのまりさは"ネコ"じゃなく"タチ"なのぜ?」 「あら、まりさはこばめる たちばなのかしら?」 「!」 「そうね、わかりのいいこはだいすきよ、ありすがたーっぷり かわいがってあげるわ」 「やめてね、やめてね。まりさ ばーじんさんなんだぜ?」 どーるはうすの中には怪しげな雰囲気が漂い始める。 確かにこのありすは金ゲスの兆候を見せているのかもしれない。だが、野良まりさからすれば 最底辺の生活から引き上げてくれた命の恩ゆんである。ここはこう考えよう。ある種の正当な 取引関係にのっとった奴隷契約を知らず知らずのうちにまりさは結んでしまったのだと。 そう考えると、あながちありすを悪ゆんと指弾するほどではないのかもしれない。 ありすはふるおっきしたぺにぺにをもてあますように大きく武者震いするとおもむろにまりさを 押し倒した。 「んほぉぉぉおおぉぉ~、どんだけじらすのぉ? つんでれさんねぇぇー」 「ちがうのぜ、まりさ、ほんっきでこばんでるのぜ、 いやぁぁああ、す、すっきりしたくなーい」 「いいわぁー、しまるわぁー、とってもすてきよ、まりさのまむまむ」 すぱん、すぱーん。饅頭皮を打ちつける乾いた音と、ずりゅっずりゅっという抽送音が 人形の家に響き渡る。 「やべでぇぇ~、ばでぃざ、おどうざんになりゅはずなのにぃー。 いっやじゃあー」 「いくわよー、すすす、すっきりぃぃぃいいい!!!」 「すすす、すっきりぃぃぃいいい!!!」 程なく、するするとまりさの額からは茎が伸び始め、望まぬおちびちゃんがまりさに宿される。 「(ゆぅー、まりさ、おかーさんになってしまったのぜ。 まりさのゆんせいせっけいが がったがたになっちゃったのぜ)」 自分は父まりさのような狩りの名人として立派に一家の大黒柱を勤め上げ、おちびちゃんをたーっくさん 育てるつもりだった。 とはいえ、額にゆらゆらと生る実ゆっくりの後姿を見ていると餡子の奥がぽーかぽーかしてくるのも また事実である。これがまりさの中に新しく芽生えつつある母性、というものであろうか。 「ゆん、まりさがおかあさんになっておちびをまもるのぜ!」 ぶちっ。おもむろにありすが茎を口で引き抜いた。 「ゆ"っ?」 気付くと額が軽い、あまりの出来事にまりさはフリーズした。 「むーしゃ、むーしゃ、ゆうっぷ。やっぱりすっきりーの ひろーかいふくには、みゆがいっちばんよね?」 「どぼじでだべでるのぼぉぉー?ゆっくりできるおちびちゃんが えいえんにゆっくりしちゃうでしょぉ?」 ありすはむしりとった茎ごと黒ずんだ実ゆを2つ食べると、餡子で汚れた唇を嘗め回した。 「だってこのままだとまりさ、すっきりし するわよ?」 そう言って残りの実ありす(の死体)をまりさの口の中に押し込むと、さぁ、2回戦よぉー!と叫んだありすは 再びまりさの上にのしかかった。 こうして毎晩のように饗宴は繰り返され、そのたびにまりさはゆんゆんと声を押し殺して泣くばかりだった。 そんなある夜中、寝室からトイレへたまたま立った男が行為の最中にリビングを横切った。 「(!)いやっ、お取り込み中に、すまん。そういう雰囲気は壁越しになんとなく伝わってはいたが、 そっか、出来ちゃったかー」 ちょうど1回戦と2回戦のインターバルだったことから、ついに額の子を見られてしまった。 「「(終わった・・・)」」 二匹はともにそう感じていた。飼いゆっくりが飼い主の同意と許可なしに子を生むのはご法度である。ありすは 夢のすっきり三昧生活と飼いゆっくりとしての生活の終わりを覚悟し、一方まりさはこの隷属状態からの 終わりを期待した。 だが、男は二匹の予想に反して笑顔である。 「仲むつまじい番同士が一つ屋根の下で暮らしてていっこうに にんっしん!しそうな気配をみせないもんだから、 今週末にゆっクリニックに予約を入れてたんだよ。どちらかに不妊の気があるんじゃないか調べてもらう はずだったんだ。いやぁー、良かった良かった」 そういうと、まりさを高くかかえ上げ電灯のもとへさらした。 「ゆぅー、おそらをとんでるみたいっ!」 「ふーん。ありす3匹にまりさが1ッ匹か。前に言ってたかもしれんが、うちの狭さじゃ赤ゆは2匹が限度だから ありす2匹を間引くぞ?」 男の手が実ゆに迫る。 「やめてね、やめてね、おちびちゃんがふるえてるんだぜ? おちびちゃんはおおいほどゆっくりできるのぜ?」 ありすは冷や汗が安堵の汗に変わりもはや何も言わないが、まりさは可愛いわが子の運命を変えようと抗った。 無駄な努力ではあったが。 87匹目(=たっくさん!まりさ的には)の赤ありすがぴぎぃと弱々しく断末魔をあげて黒ずんでいく。 「やじゃぁぁああ!もうしぬとこ、みちゃくないー」 88匹目(=たっくさん)の赤ありすもぷちゅっと音を立てて、すぐにお空のゆっくりプレイスへ旅立っていった。 「ゆんやあああああ!」 1週間後、二匹の愛の(?)結晶がぷるぷるとまりさの頭の上で身を揺らす。 ぽてりっ。 「「ゆっきゅりしちえいってにぇ!!」」 「ゆっくりしていってね!ゆーん、やっぱり おちびちゃんはとってもゆっくりできるよー」 「・・・ゆっくりしていけばぁ? ありすてきにはどうでもいいけど」 こうして飼い主公認の下、ありすとまりさの子育てが始まった。 まさか二匹の関係が愛に結ばれたものではなく、支配・被支配の明白な上下関係に基づいた、情欲にまみれた ものであったなどとはありすの口からは言い出せずに、とうとう成り行きでこうなってしまった。 どうしてこうなった、とありすは唇をかんだ。 まりさは、せめてこの2匹だけはお母さんが守るよっ!と心に固く誓った。 両者の気持ちは、だが、次の1週間でたやすく反転する。 最初、ありすにとって赤ゆは枷であった。この子らがいる限り新たに子をつくることにつながる行為は出来ない。 男にばれたら今度こそ放逐である。赤ゆ2匹までは認められた、だがそれ以上の子づくりは男に対する 明白な反逆となるからだ。かといって、赤ゆを殺して新たに子を作れる環境にしようとするとゆっくり殺しで 自分がゆっくりできなくなる。 とはいいいながら、なんといっても中身をわけたわが子である。日々可愛く見えてくるのが親子の不思議なところだ。 ありすは親としての自覚を日に日に強めていった。 逆に番のまりさは、ありすにとっては最早すっきりもできないただの薄汚れた野良でしかない。最大にして唯一の メリット、"すっきりできる"がなくなれば邪魔物以外の何者でもない。 他方でまりさは日々ゆっくりできない気持ちをつのらせていく。飼い主の男はあからさまにありすをひいきし、 ありすはまりさを蔑んだ目で眺める。ゆっくり具合では勝負にならず、その空気は如実に赤ゆにも伝わる。 なにしろ舐められる相手は誰であろうと機会を逃さず蔑み、相手を見下ろしてにやにやするのがゆっくりという 生ものの性分である。 それは生みの親に対してであろうと変わらない。 「やい、くじゅおや、まりちゃしゃまのしゅーぱーうんうんたいむっ、 はっじまりゅよー。うんうん たべちぇいいよっ!」 ぶりぶりぶり。 「ゆぷぷ、くぃーんありちゅしゃまのときゃいは おうごんしゅいも めしあぎゃれ。にょーびにょーびっ、おくちのたきゃさ まで さーびしゅしたわ。さぁ、どうじょ!」 ちー。じょぼじょぼ。 「ぶぎゃっ、やめてね、くっさっ、ゆぶぶっ、やめるんだぜぇー、 かんっだいなまりささまにも げんどはあるんだぜ~」 「「はやきゅにゃめにゃめしちぇ、きれーきれーにしりょ!あと くしゃーいうんうん とっちょとかたじゅけりょ!どりぇい!!」」 赤ゆたちはもはやまりさをうんうん奴隷としか見ていない。 まりさにとって赤ゆを可愛く感じられたのは最初の日だけであった。 「もーっ、げんかいなのぜ。まりさ、おうちかえりゅぅぅうう! おちびのせわは ありすによろしくたのむのぜ」 「ち、ちょっとおかーさんでしょ? あまりにむせきにんすぎるでしょぉー?」 もちろん、ありすの心配は母をなくす子の心配ではなく、うんうん奴隷を失って自分が赤ゆの汚物を 掃除しないといけなくなることを嫌がっているだけだ。 「おちびも、ありすも、まりさのことをばかにしてばかりで もういいかげんにするのぜ!まりさもゆっくりしたいんだぜ」 「はぁー? のらあがりのいなかものが なにぎゃくぎれしてるのかしら。まったく とかいてきじゃないわね」 「まりさはいえをでるのぜ。のらでもいいから、ここではないどこかで、 じりつしたゆっくりとしてゆっくりいきるのぜ!」 「ふ、ふん。ちょーどやっかいばらいができて たすかったわ」 こうなると売り言葉に買い言葉である。 まりさは身一つでドアの下部にあつらえられた犬・猫・ゆっくり用の出入り口から家を出る。 太陽がまぶしかった。それはまるで未来を祝福してくれているかのようにまりさは感じた。 こうして、まりさは野良まりさに戻った。 3. 野良に戻ったまりさであったが、しばらく飼いゆ生活を送っていたことで、野生の勘(危機意識)が鈍って いたのだろうか、すぐに区の保健所の一斉駆除に捕獲されてしまった。 この街では県議会が定めた条例に基づき、"自然に優しい再生可能な街づくり"の一環としてコンポストの各戸 無料配布がちょうど決まったところであった。材料となるのは、日頃から生ゴミで舌を慣らした野良ゆっくりが 一番良く、保健所と連動して加工所が野良ゆっくりの買い上げ額を一律上増しで行うほどの力の入れようであった。 こうした野良回収強化月間のさなか、まりさは最悪のタイミングで野良に復帰してしまった。 その区の調達した野良ゆっくりと、必要なゆっくりとの頭数差が区の持ち出しとなり、加工所が不足分の ゆっくりを工面する。その不足分の支払いがその区の財政から、遡ればその区の住民税から支出される。 そしてある区域で捕まえたゆっくりは原則その区域のコンポストとなるという仕組みである。 これで俄然、市区町村の役人の目の色が変わった。 その、役員大張り切りの一斉駆除の網に早速まりさは引っかかってしまったという訳である。 早速透明な箱に詰められた他のゆっくりとともにまりさは加工所の門をくぐり、門を出たときには立派な ゆっくりコンポストと化していた。 そしてこれは全くのゆっくり神のお導きとしか言えないのだが、まりさが設置されたのは元の飼い主の家 だった。その区で捕まったゆっくりがその区に設置されるという仕組みとはいえ、おはなしの様に都合のいい ことが起きた。恐らく1/1000位の確率だろう。おうちでは赤ゆ達が徒競走の練習中である。 「ゆっち、ゆっち、まりちゃのかちなのじぇ~」 「じゅるーい、ありちゅもまけちぇられにゃいわ、 ゆんしょ、ゆんしょ」 「(あの声は、おちびちゃんだよ~、まりさおかーさんが まんをじしてかえってきたよ!(キリッ どぼじでむじずるのぼぉー?)」 役所の委託を受けた業者が家主の男からの指示を受けながら、てきぱきと台所隅の一角にまりさコンポストを 設置していく。 「それではここにサインお願いします。…ありがとうございました」といって業者は帰っていった。 侵入者の退去を察して、人見知りをするありすがドールハウスから顔をのぞかせるとコンポストを一瞥して 吐き捨てるようにつぶやく。 「なにか、とてつもなく いなかものな においがすっごくするわ。 それよりおにいさん、やくそくのあれはまだなのかしら?」 「あぁ。きょうペットショップに入荷のはずだからちょっと待ってろ。留守番頼む」 そう言い置いて元飼い主の男は家を出て行った。 大きな口を叩いてつい先日自分から出て行ったことも忘れて、まりさはなんとか自分の存在と帰還の 事実を伝えようと思った。いかんせんコンポスト化された身では何も出来ない。 悪戦苦闘を小1時間ほど続けていたところ、男がなにやら大きな荷物を抱えて帰ってきた。 「ただいまー。ありすー、あンのクソ野良の替わりの金バッジまりさ届いてたぞー!」 ゆがーん!野良まりさは一瞬わが耳を疑った。いまなんて。なんていった? 「(な、な・・・に、いってるのぜ?まりさはここにいるんだぜ?)」 もっともその言葉は誰にも伝わらない。まさか、あの野良まりさが形を変えて戻ってきているなどとは 当の野良まりさ以外の誰が知ろう。 「おかえりなさーい、おにいさんっ、だーいすきっ。ありがとさんだわ」 「こいつは金バッジだから当然"だぜ口調"も使わないし、まりさ種には珍しく母性にあふれた優秀な固体だ。 お取り寄せだからな。こいつなら立派におちびを育てられるぞ」 「「・・・」」 当のおちびちゃんが黙っているのがまりさには唯一の味方と思われた。だが、男が無慈悲にも口を挟む。 「お前らだって、すーりすーりしてくれたり、ぺーろぺーろしてくれるお母さんがまだまだ必要だろ?」 そういって、キャリング・バッグから金バッジまりさを抱えあげて親子を対面させる。 「ゆっ、まりさはまりさよ。はじめまして。 おかあさんってよんでくれていいのよ?」 「「・・・よろしきゅ、たのみましゅのじぇ」」 あっさり認めたっ! 「「「ゆっく(きゅ)りしていって(ちぇ)ね!」」」 家族の唱和の声があがる。 ゆががーん!野良まりさは自ゆんの耳を疑った。いまなんて。なんていった? 自分から子を捨てた過去などすっかり忘れて、野良まりさは心の中でわが子をなじった。 こんなにもあっけなく生みの親の恩を忘れて別のまりさにこびを売るとは、なんたるゲスだ! 初日はそうやって自分の心を偽ってわが子に責任転嫁できた。 次の朝 「「ゆぴぃ、ゆぴぃ、おきゃーしゃ、どきょいっちゃのじぇ~」」 まだ夜も明けきらぬうちから騒がしく鳴きたてる赤ゆら。 「(ここだぜ~、おちびのほんとうのおかあさんまりさはここに いるんだぜ~、おちびちゃん、ゆっくり!)」 野良まりさは塗りつぶされた口と、のどの奥でつぶされた発声器官を震わせて必死に呼びかけようと 身をよじるが、あんよ焼きも施されコンポストとして身動き一つできぬように改造されているので なにもできない。 ドールハウスから一匹のゆっくりが這い出してきた。 金まりさはゆっくり擦りよるとまだ赤ちゃん言葉が抜けない赤ゆをおさげで優しくなであげる。 「おちびちゃん、ゆっくりっ!ゆっくりしていってね?」 「「ゆっ、ゆっ?ゆっくちしちぇいってにぇ!」」 あぁ、自分が家を出てから毎朝、毎晩どれだけ赤ゆたちは不安と孤独に襲われながらゆんゆんと 鳴きくれていたのだろうか。 子ゆたちは昨日の自己紹介を思い出しつつも、この優しそうなおばさんが本当に頼っていい相手か 不安そうである。やがてありちゅが勇気を出して問いかける。 「おかーしゃん?おかーしゃんちぇよんじぇもいいのかちら?」 「えぇ、きのうもいったでしょ。まりさはありちゅとまりちゃの あたらしいおかーしゃん!さんなのよ!」にこっ。 「ほんちょなのじぇ?まりちゃのおきゃーしゃになってくれりゅのじぇ?」 「(!)」 まりさは再び脳天を棍棒でぶっ叩かれたようなショックを受けた。こうして野良まりさは帰るべき ホーム(=家族)をも本当に失ってしまったのだった。 野良まりさは自分の替りなぞどこにでもいるのだということをもはや認めざるを得ない。 金まりさは新しい母親としてはそつなくポジションをこなし、日々確実に子ゆからの信頼と 愛情を積み上げていった。 子ゆたちも二度と母親から見捨てられたくないという思いが強いのか、あれほど野良まりさを 悩ませたわがままや罵りをぴたりとやめていた。 番同士が対等の金バッジだからであろうか、二匹と子の仲は円満そのものだ。 「ゆふふふ、おきゃーしゃのおしゃげさんとおぼうしさんのすきまにはいりゅと まりちゃ、ほんちょにゆっきゅりできるのじぇ!」 「じゅるーい、ありちゅも、ありちゅもー!」 「あらあら、ふたりもいっぺんにはむりよー、なかよく かわりばんこで、ね?」 「(・・・・・・・)」 野良まりさはひたすらこの 永遠に続くぬるい地獄の責めに耐えていた。 おしりをもるんもるん振りながら、かつて野良まりさの脇にもぐりこんでこようとした赤まりちゃの 温もりが今更ながら思い出されてたまらなくもどかしい。 あのくすぐったいような、甘酸っぱいような感触は本来野良まりさのものなのに。 「じゃあ、ありちゅはとかいはなありすのあたまのうえにのりましょうか?」 ありすがべろをあーんと伸ばしてありちゅを巻き上げると、優しくカチューシャの上に載せた。 「ゆわーい、とりしゃん、とりしゃん!」 自分はいったいどこで道を間違えたのだろう。なにが悪かったのか。考えても考えても野良まりさには どうしてもわからなかった。野良まりさはただプライドを持って生きたかっただけなのに。 野良に生れ落ちたということはあれほどの差別を受けなければならないほどの罪だったのだろうか。 一時の気の迷いで家を出たことはこれほどの罰をうけなければならないほどの行為だったのだろうか。 おちびちゃん達を見捨てて一度は外の世界へ旅立ったが、ゆっくり神のお導きで再びおちびちゃんの元へ 戻ってきたというのに、改めて母親の役目を全うしようと意気込んでも元家族は自分に対して道端の小石 ほどの関心も払わない。まったく何たる仕打ちだろう。 今日も野良まりさの口には残飯が放り込まれた。唯一残された咀嚼機能でむーしゃむーしゃする。 「(ゆぐぶぇー、げろまずー)」とてもまずい。 泣くことも出来ず、考えると辛いので野良まりさは何も考えないことにした。 了) 【これまでに書いたもの】 anko4411 うんうんの汲み取り屋さん anko4404 タマ子の部屋 anko4395 DQ小ネタを詰め合わせ(けんじゃのいし・他4編) anko4392 アメリカの友人 anko4391 ゆらぎそよ風 anko4388 生きがいをあげる anko4387 わたしの終わりは世界の終わり anko4384 ゆんゆんころり テンプレ、コンポストもので、失礼しました。まずはテンプレ系の作品がきちんと書けるようになろうと思いました 感想板のご意見は暗闇に光明を得たようで、とても心強く感じました。ありがとうございます パロディはやめれー、と言ってくださった方。そして最初にコメントしてくれた方、特にありがとうございました
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封鎖された公園は、ゆっくりの楽園になりやすい。 人間は滅多に見かけなくなる。 不法投棄されたゴミは、かけがえのない建材となる。 伸び放題の雑草はごちそうの山にほかならない。 ふんだんな資源が、ゆっくりたちに安定を提供していた。 このような環境にあっては繁殖しないほうがふしぎで、 いつしか公園には十数の世帯をかかえる中規模コロニーが形成されるようになった。 しかし、世のなか決して甘くはない。 危険はどこにだって落ちている。 ゆっくりの住みやすい場所とは、 おおむねほかの生きものにとっても過ごしやすい。 野良犬や鴉などの野生動物が、公園に息づくゆっくりたちの、ほぼ唯一の懸念となっていた。 赤子のゆっくり八匹が、怯え震えて泣きじゃくっていた。 れいむ種とまりさ種、四匹ずつである。 恐怖の対象は毛むくじゃらの魔物だ。 黄金色にかがやく獰猛な瞳で赤ゆを見つめて、舌舐めずりをしている。 赤ゆたちの怯えようはただごとではなかった。 「ぎょばいぃぃっ、ぎょばいよぉぉぉっ、ぎょばっ、ゆ゛びゃぁぁっ、ゆ゛ぇぇぇっ、ゆぇっ、ゆぇっ」 「あっぢいっでにぇ゛っ、あっぢいっでにぇ゛っ、ゆっぐり、ゆっぐぢざぜでにぇ゛っ」 「だべないでぇっっ、ばりじゃ だべないでっ、ばりじゃ、ぎょばいっ、ぎょばいっ」 「れ、れれれれれれれれれれれれーみゅ、だ、だだだだだだだだだだずげでっ」 「おぎゃぁーじゃぁんっ、おぎゃぁぁーじゃんっ、だずげでっ、だずげっ、ごばいぃぃっ」 「ば、ばりじゃ、ぢゅ、おごりゅど、ぢゅよ、ぢゅよいっ、ぢゅよいがら、ゆるじでっ」 「ゆぇぇ゛ぇ……ゆっぎゅり でぎにゃいぃぃぃ゛ぃぃぃ゛っっ、でぎにゃいぃぃぃ゛っっ」 「こっちきゅりゅなー! こっちきゅりゅなーっ! こっちきゅりゅなー!」 「で、でいびゅっ、やっづげでねっ、ゆっぐりじでないでっ、やっづげでねっ」 「ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ」 赤ゆ八匹は一か所に固まって、おもいおもいに叫んでいる。 かれらを庇護すべきゆっくりれいむは、 餡子の海で溺れていた。 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……」と繰りかえすばかりで、助かる見込みは万に一つもない。 なお、親れいむにはほとんど外傷がない。 唯一、あんよの近くに引っかき傷があるのだが、 これとて皮膚を裂いただけで中身の流出はともなっていない。 親れいむは怪物の歯牙にかかって餡子を漏らしたのではなく、 恐怖のあまりに餡子を嘔吐して斃れたのだった。 それでも瀕死状態であることにはちがいない。 この一家は母子家庭であり、 隣人は家に引き籠ってしまっているから、 赤ゆに残された術は自助だけである。 ところがその赤ゆどもであるが、 涙をこぼし、 涎をたらし、 尿をながし、 糞をもらし、 ふるえ、 おびえ、 戦慄し、 何もしていないくせに謝罪の言を垂れ流し、 瀕死の母親に助けを求め、 なんの意味もなくあんよを振り回し、 そのつどぴちゃりぴちゃりと尿がはね、 あんよの背後にいたゆっくりれいむはうっぷうっぷと尿に溺れ、 徹底的に錯乱し、 一心不乱に狂乱し、 自分自身の力で事態を打開しようとする心意気は微塵も見えず、 まったくもって見るにたえなかった。 怪物はそんな赤ゆたちを爛々と光る瞳で見つめている。 口が開く。 牙から涎がしたたる。 喉がうなり、怪物が咆哮した。 「ニャー」 『ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっっっ!!!!!!』 猫はゆっくりの天敵だ。 ゆっくりできない筆頭だ。 他所とくらべて比較的危険の乏しいこの公園にあっては、なおさらだった。 そのときだ。 がさり。 草をかきわける音がして八匹は影に覆われた。 闖入者を見上げて、赤ゆは一斉に金切り声をあげた。 『ゆ゛びゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっっっ!!!!!!』 人間の男が立っていた。 ゆっくりも驚いたが、突然の悲鳴に人間のほうも驚いていた。 一方の猫は相当に人間に馴れているらしく、人間が姿をみせても顔色一つ変えていない。 赤ゆ八匹をつぶらな瞳で睨んでいる。 人間は身をかがめて、手に持っていた檻を置いて、右手の人差指で猫の喉笛をくすぐった。 その光景を見て、赤ゆたちは赤ゆたちなりの知恵をふるった。 「に……にんげんじゃんっ、ね、ねござんを、どーにが、じでねっ」 「そ、そーなんだじぇっ、どーにがずるんだじぇ、じゃっじゃどじでねっ、げずっ」 「ゆっきゅりじゃじぇろぉぉぉぉぉっっ、ばりじゃを ゆっぎゅり じゃじぇろぉぉぉぉっっ」 「ばやぐ じないど、でいびゅ、おごるよっ、ぶぐーずるよっ、ばやぐ、じでねっ」 「ゆっぐぢ、ゆっぐぢ、ゆっぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢ……」 「どりぇいっ、どりぇいっ、はやくちてね!」 猫を始末しろとわめいている。 その物腰はともかく、悪い案ではなかったかもしれない。 人間は赤ゆたちを見下ろして、微笑みながら問いかけた。 「ふうん。この檻にでも閉じ込めておこうか?」 足もとに置いてあった檻を一瞥して、そう提案した。 願ってもない申し出だった。 早くしろ、さっさとやれと、まったくもってかまびすしい。 「わかった。どれくらい閉じこめておこうか?」 ずっとだ。 赤ゆは一斉にわめきちらした。 早くやれと吠えるだけならばまだしも、 ゲス、奴隷、馬鹿、のろま、思いつくかぎりの罵詈雑言をならべたてた。 人間はすぅっと目を細めた。 「わかった。ずっと……檻に閉じ込めておこう。約束する」 猫があくびをした。 喉をごろごろと鳴らしている。 空は抜けるように蒼かった。 赤ゆ八匹は安らかだった。 猫の危険は完全に去っていた。 「ゆゆ~ん。とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 「れいみゅは とっちぇも ゆっきゅり しちぇいりゅよ~」 「おうた うたうよ~。ゆっくちー、ゆっくちー」 「もう ねこさんなんて こわくにゃいね! れいみゅ さいきょうっ」 「ゆゆ…………しゅっきりーっ」 「くちゃぃぃぃっ、くちゃぃぃぃっ!」 「おねーぢゃんっ。さっさと うんうんさん かたづけてねっ」 「どーちて しょんなこと いうのぉぉぉ!? でいびゅの うんうん なのにぃぃぃっ!」 「ゆー! けんかは やめりゅんだじぇ!」 「れいみゅが わしゃわしゃ しちぇあげりゅよっ」 「ゆ~~。おねーちゃんの わしゃわしゃは とっちぇも ゆっきゅり できりゅ~」 「まりしゃもっ、まりしゃもっ」 「ゆっくちー。ゆっくちー」 「ゆゆ~ん。しょーいえば おとーしゃんは?」 「あんにゃ げしゅ! おとーしゃんじゃ ないんだじぇっ」 「しょーだね!」 「おとーしゃん なんきゃ いなくたって いいもん!」 「しょーだじぇっ。ここは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 「ねーねーっ。きょきょを あたらしい おうちに しよう!」 「しょーなんだじぇ! ゆっきゅり できりゅんだじぇっ」 「きまりだね! いっきゅよ~」 『きょきょを れいみゅの(まりしゃの)ゆっきゅりぷれいしゅに しゅりゅよっ』 人間は約束を完全に果たしていた。 すなわち、檻に入れたのである。 人間は檻に放りこむと、しっかりと鍵を閉めて、公園から踵を返したのだった。 帰り道に、ドブに鍵を投げすてていた。 (おわり) あとがき: コンラート・ローレンツ著『ソロモンの指輪』。 自宅で飼っている動物が危険だから、檻に入れた――自分の子供を。 という逸話をそのまま使いました。 ネタかぶりがありましたらご容赦を。
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・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます
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・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます 挿絵:36番あき
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「ふたば系ゆっくりいじめ 934 暇つぶし/コメントログ」 からしスプレーにまみれたおうちで泣き喚くゆっくりの描写もみたかったー! -- 2010-08-03 21 10 45 赤ゆの声に元気がないな ダメージも少なすぎると思う -- 2010-08-06 23 14 29 ゆっくりの分際で…すらりとのびたあんよ、だと…? -- 2010-09-05 23 41 27 からしスプレー噴射=ゆんやああああああああああああ ぐらいやったほうがいいと思う。 -- 2010-09-06 16 27 36 想像だけじゃなく、結果を見たかったぜ…! -- 2010-11-26 21 56 46 赤ゆのセリフが棒読みすぎる -- 2011-07-27 01 49 11 お前らのコメが糞饅頭だなww -- 2014-08-17 00 41 14 あんたもな -- 2018-08-26 20 54 19